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死が全てを解決する。人間が存在しなければ、問題も存在しないのだ。
ヨシフ・スターリン
☆
スターリンは人類史上最も恐ろしい独裁者である。ヒトラーよりもむごい影響を人類史に及ぼした。ロシアという国を、恐ろしいところにした。
彼は、馬鹿の論理で世界中を支配しようとしていた。いや、今もそのつもりでいるのだ。肉体は死んだが、霊魂はまだ存続している。悪の優位性を信じる彼は、恐ろしい鉄の夢で、自分のエゴを完璧にかなえることのできる世界を作ることを、未だに夢見ているのである。
類まれなる人生であったが、その生のほとんどは、ほかの霊魂がやっていた。本霊は、あまりの苦しさに途中で降りたのだ。そしてその人生の続きをやった霊魂が、ほとんどすべてをやったのである。
スターリンの、人間とは考えられないような粛清も、本霊がやったのではない。悪魔のように陣取った、暗いほかの霊が、すべてを思い通りにしてやろうと、むごいことをやりすぎたのだ。それは、自己存在が自らやったこととは言えない。本来の自分ならあそこまでむごいことはできないのだ。
他人の人生に入り込んだ別の霊魂が、無責任という鳥に支配され、悪夢を肯定する虚無の巨獣に自分を売り渡したのである。それが、永劫の未来に続く、エゴの帝国の幻影を、世界に描いたのだ。
スターリンの正体は、実に、虚無なのである。
鉄のように硬く暗い、人間ではない者の闇なのだ。
そういうものが国を支配するとき、どういうことが起こるかということを、ロシアという国は経験している。シベリアの冬よりも厳しい冬が、国を覆ったのである。
スターリンの幻影はまだロシアに生きている。圧政のたがは外れたが、未だに暗いところで、世界征服の夢を見る霊魂が活動しているのである。
しかしそれはいずれ、大きな反動の風をロシアに起こすだろう。ウラジーミル・プーチンはそれを知っておかねばならない。ロシアにいずれ来るであろう試練の風の中を、人々が生きていくために、必ず何かをしておかねばならない。