試合前に会場入り口付近でTシャツにサインをしていた天山。すごい人気でごったがえしていた。
○田口隆祐{7分56秒 グラウンドヘッドロック}●後藤洋央紀
若手同士のオープニングマッチ、派手さはないがひたむきさがある。
○吉江豊{8分44秒 片エビ固め}●ブルー・ウルフ
吉江は出てくるだけで存在感がある。ファイトスタイルもどっしりと構えて体重を上手く利用していた。一方、ブルー・ウルフは元気がない。G1に出場してタッグ王座にもついて自信をつけた吉江が、落ち着いてしとめたという印象。
○ヒート 垣原賢人 タイガーマスク{9分25秒 ミノルスペシャル}●井上亘 金本浩二 獣神サンダーライガー
井上亘が顔が半分見えるマスクをかぶっていて、さらに体もずいぶん絞っていて、以前と別人のようなスタイルである。逆にヒートは以前よりも体にボリュームが出た印象を受けた。6人が次々と入れ替わり立ち替わり、めまぐるしい攻防を繰り広げたが、やはり井上がつかまってしまった。
そして、リングに邪道・外道が上がり、ライガー・金本と握手をしたと思った瞬間、髪を伸ばして雰囲気が変わった竹村と邪道・外道でライガー・金本の首をロープでしめるなどやりたい放題。ライガーとタイガーマスクのマスクまではいでしまった。特に激しかったのが竹村。
新日ジュニアは、これで三つ巴になり、新たな抗争がスタートした。竹村がどこまで暴れてアピールできるかに注目である。
○西村修{15分42秒 足4の字固め}●中邑真輔
試合開始から無我ワールド。会場もそれを期待している。中邑も西村の技や展開を真似るが、やはり本家とは年期が違う。首をロックされた状態での倒立も本家の勝ち。
これでは勝てないと思った中邑が蹴りを出していったが、これが西村を怒らせて、足への集中攻撃をあびてしまい、最後は渾身の力を込めた足4の字にギブアップ。絞めている時の西村の怖い顔が印象的であった。
U-30無差別級選手権試合 ○棚橋弘至{11分10秒 飛龍原爆固め}●魔界2号
魔界2号が負けたらマスクをぬぐ、棚橋が負けたら髪を切るというルールのため、二人の意地と意地がぶつかり激しい試合になった。
魔界2号は打たれ強い。棚橋が大技を出してもケロッとした感じで立っていく。一方の棚橋、若い頃の武藤のように躍動感ある動きは会場を沸かす。
最後は飛龍原爆がグサッと決まり決着がついた。負けた魔界2号は潔くマスクを脱ぐ。正体はすでに知られているように、K-DOJOの大型選手T。これをきっかけに素顔でファイトするのもいいだろう。
○中西学{2分 反則}●村上和成
最初からいきり立つ両者。先制攻撃を仕掛けた村上であったが、中西はこれを読んでいて逆に一方的に攻める。しかし、ちょっとした隙を見逃さず村上がパンチから蹴りをガンガン中西の顔にたたき込む。レフェリーのブレイクに2回突き飛ばし、反則負けの裁定。会場はブーイング。
引き上げる村上を中西が追いかけ、たくさんのファンの前で売店の所で村上をKO。その様子が場内のモニターに流された。この二人の遺恨、まだまだ続きそうである。
○安田忠夫 柳沢龍志{7分10秒 エビ固め}●永田裕志 エンセン井上
安田のヒールぶりに磨きがかかっていた。会場を煽ったり、急所攻撃を仕掛けたり、ふてぶてしい態度がすごくいい。会場のほとんどは安田にヤジを飛ばしていたが、私は密かに安田を応援していたのだ^^
途中、場外で手を出した星野総裁にキレたエンセンが会場外まで総裁を追いかけていき、試合は1:2のハンディキャップマッチに。エンセンのいない間に安田が永田をしとめた。
そこへエンセンが戻ってきて乱闘。ここでマイクを持ったのが西村!「悪は必ず負ける。正義が勝つ。あっちへ行け!」・・・、西村のマイクが絶好調のようだ。
○天山広吉{11分36秒 アナコンダバイス}真壁伸也
G1優勝して天山がブレイク中。すごい声援である。入場もガウンも何も着ずに上半身裸、何か吹っ切れたのだろう。一方の真壁も胸板がより厚くなったような印象で力強さを増していた。天山と互角にぶつかり合いを展開する。投げ技が少ないと言われていた天山だが、今日の試合を見る限り、以前のような単調な攻めではなく、相手の状態に合わせて投げや打撃技や関節技を的確に繰り出していたように感じる。
アナコンダバイス。初めて見たが、ギブアップが早い。相当効くのだろう。すごい必殺技を身に付けたものだ。
IWGPヘビー級選手権・金網デスマッチ ○高山善広{34分6秒 KO}蝶野正洋
注目の新日本初の金網デスマッチ。お互いに相手の技を真っ向から受ける。蹴られたり蹴り返し、打たれたら打ち返す。こういう展開になると、やはり体格と若さとパワーで勝る高山の方が有利だ。
金網を利用した攻撃や噛みつき攻撃など、高山の激しい攻撃にフラフラになりながらも、STFで数回締め上げる。ギブアップ決着ではないので、技を解いて10カウントが数えられるが、高山は立つ。そして、逆にスリーパーで締め上げる。やはり、10カウントが数えられるが蝶野もギリギリで立つ。
この辺りから「せつなさ」を感じ始め、猪木vsマサ斉藤の巌流島の闘いを思い出してしまった。ここまでやったら決着をつけなくても両者KOでいいではないか、という気になってくる。
30分のアナウンスで、もう30分たっていたのかと我にかえる。それだけリングに釘付けになっているのだ。
最後は、大きく抱え上げてからのバックドロップ三連発からエベレストジャーマン、これで蝶野が立てなくなった。坂口CEOが金網の中に入ってくる。ついに裁定がくだった。
しかし、まだ本能のまま攻撃をする高山に対して、坂口が蹴りから払い越し、これが見事に決まった。これで怒った高山は坂口をニーリフトで倒し、ギロチンドロップ。失神状態に追い込んだ。
大一番を制し、ヒールぶりを大いに発揮した高山、恐るべし。最後は天山が東京ドームでの挑戦を表明した。高山VS天山、この大一番に期待がかかる。