リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

2つの演奏会(1)

2009年09月28日 11時53分43秒 | 音楽系
先週の24日と26日、いずれも名古屋市内の宗次ホールで2つのコンサートを聴きました。主催は2つのコンサートとも若手音楽家育成アヤメ基金で、パンフレットを見たらやけにスイスで知り合った人が多く出演するのでどうしてかなと思っていました。

パンフレットの最後のページを見て、バーゼル在住の野川等さんが中心になってオーガナイズしたと書いてあったので、理由がわかりました。野川さんはスコラ・カントルムとバーゼル音楽院で学ぶ学生たちをいろんなかたちで支援されている方で、私もそのおこぼれにあずかり、何度かご自宅のパーティに寄せていただいたことがあります。

24日のコンサートは地元出身の野田亜希さん(オルガン)と日渡奈那(ギター)さんのコンサートでした。日渡さんは、バーゼル音楽院でオスカー・ギリアに師事された方で、現代曲からルネサンス・バロックまで非常に音楽性に富んだ演奏をします。日本の「ギター界」では数少ないタイプの演奏家です。現在スイスのベルンで演奏活動をしています。そういや、終了演奏会の直前に私の下宿にやって来て、歌の日本語訳をいっしょに考えたのを思い出しますねぇ。結構きわどい内容の歌詞だったので、訳語の選定が大変でした。(笑)

野田さんは私がバーゼルにいた時期とは重なりませんが、2007年6月にバーゼルに行ったとき、スコラの学内ホールにいたときに声をかけてもらいました。なぜ私だとわかったのか今もってよくわかりませんが、彼女の先輩にあたる方をよく知っているので、その人から私のことを聴いていたのかも知れません。その彼女、終演後にこれからどうするのかと訪ねたところ、今後もスイスで活動していきたいとのこと。うーむ、名古屋で少しくらいはと思っていましたが、ちょっとあてがはずれましたね。(笑)

さて、コンサートですが、オルガン(ポジティブ・オルガン)とギターという組み合わせはどういう響きになるのかなと興味津々でした。若干危惧はありましたが、それは全くの杞憂で、マッチングはとてもよかったです。よくあるギターとピアノの組み合わせよりずっとよいと感じました。まぁ考えてみればあたりまえで、音が減衰していく楽器同士より、減衰音楽器と持続音楽器の組み合わせの方がいいのは理屈にかなっています。

会場はほぼ満員に近かったですが、残念なことに地元のギターや古楽愛好家の人は全然見あたりませんでした。ちょっと宣伝不足という感じでしたが、いいコンサートだっただけに残念でした。