(日本統計学会の過去問集。統計検定のHPより引用。)
最近はやりのビッグデータなど、今後、統計処理を必要とする分野が増えてきます。そうした現状に合わせ、2011 年より「統計検定」が行われるようになりました。この資格は国家資格ではありませんが、英検や簿記と同じように世間に通用する資格です。
統計検定は4級から1級まであり、4級は小学校6年生で受かったケースがあるそうです。級の数字が少ないほど上級なのは英検や簿記と同じです。
統計検定のさらに上位の資格として「統計調査士」、「専門統計調査士」があり、今後これらの資格が就職に有利となるでしょう。さらに、国際的に通用する資格として、RSS/JSS試験があり、Higher Certificate と Graduate Diproma の2つに受験できます。それらに合格すると、それぞれ欧米の大学の統計学修士課程、統計学博士課程の出願資格を得たことになります。
統計処理がここまで重要になってきた背景には、むろんコンピュータで大量のデータを扱うようになってきたことが大きく影響しています。しかし、もっとも重要なことは、相手を説得する手段として統計的な言説が最強になったからだと、私は考えています。
少なくとも医療界における指標(例えば血圧の正常値をいくらにするかとか)は、どんな権威者の見解よりも、無名の凡人が多数の患者を10何年にもわたって地道に調査、統計処理した結果のほうが信用されます。
(少し前、人間ドック学会が従来より緩い「正常血圧」を発表して物議をかもしました。高血圧学会がこれに激しく反論したのは、高血圧学会は10年以上にわたる追跡調査をもとに「正常血圧」を提唱しているのに対し、人間ドック学会は追跡調査を行わず(つまり将来どういう病気が出てくるかまで調べず)、粗雑にも現在の血圧分布の中間あたりを示しただけだからだ、と私は思っています。)