(天城町のトライアスロン。天城町のHPより引用。)
舛添都知事が(東京オリンピックでトライアスロンを行うのに)東京湾は大腸菌がいっぱいいて汚いのではないか?と発言しました。
汚いことの表現として「大腸菌がうようよ」という言い方もありますが、大腸菌そのものは無害です。大腸菌は体内にもふつうにいます。
大腸菌が汚いことの代名詞になったのは何故かというと、大腸菌が増殖するようなところには別の有害な細菌も増殖するだろうという推論があるからです。そのため、数を測りやすい大腸菌の数で細菌による汚染度を代表させているわけです。別の有害な細菌とは、赤痢菌とか腸炎ビブリオなどのことです。
こうして無害な大腸菌は汚名を着せられました。そこにO-157(病原性大腸菌)の問題が出てきて、すべての大腸菌がいよいよ悪玉にされてしまいました。
O-157の繁殖力はふつうの大腸菌と同じで、とくべつ繁殖力が強いわけではありません。でも、多くの人はO-157は繁殖力(感染力)が強いと思い込んでいます。そして、すべての大腸菌が有害だと思い込んでいます。
O-157の感染例を日本で初めて報告したのは、先輩・故西村豊先生でした。