(松山市での俳句甲子園の模様。47news より引用。)
大学生のころに私は俳句に興味をもちました。しかし、指導者が身近におらず、それっきりになりました。俳句は当時から老人の趣味と言われていて、俳句クラブは老人ばかりで、若者が入りにくいところがありました。
私の父母の時代には、大学に俳句部というのがあったのですが、私が学生のころは、俳句部をもっている大学は見当たりませんでした。私の師、故浅野右橘先生は名古屋商科大学(現・名古屋大学経済学部)の俳句部出身です。
ところが近年、俳句甲子園という催しが行われ、高校生が活発に俳句に挑んでいるようです。俳句甲子園は子規や虚子の地元の松山市で行われます。
優勝常連校は地元の松山東高校、松山中央高校、それに超有名受験校、東京の開成高校です。参加者たちは、しばしば唸ってしまうような俳句を作るので楽しみです。俳句甲子園が行われるということは、大学でも俳句部が次々と再建されていることでしょう。
俳句甲子園の優秀作品をひとつ。
月眩しプールの底に触れてきて 開成高校・佐藤雄志君
一読してこの句は夜の屋外プールの句だと分かります。季語はプール(夏)です。泳いでいたのか飛び込んだのか、とにかく作者はプールの底に触れて、浮かび上がったら月に出会ったのです。たぶんプールには作者一人しかいなかったのでしょう。類想がない心憎い出来ばえです。
今後、若い発想の俳句が、どういう刺激を私たちに与えてくれるのか楽しみです。