(谷啓。昭和ガイドより引用。)
「ばっちり」とは「しっかり」とか「十分」というような意味だが、「ばっちり」以外の言葉で同じ意味内容を伝えるのは難しい。
年配の人しかご存じないだろうが、「ばっちり」はクレージーキャッツの谷啓の持ちネタの流行語だった。(谷啓には「ガチョーン」という流行語もあり、こちらのほうが知られているかも。)
流行語とはそれこそ泡のように消えていくものだが、「ばっちり」のように日本語として固定してしまったものは、たいへん珍しいと言わなくてはならない。
※今日の短歌
「お」じゃなくて「を」なんですね、さをりさん。少うし淡くお呼びしますね
堀眞希(広島県)
広辞苑「手抜かりや落度なく確実なさま」、新明解「満足できる結果が得られて、内心、してやったりと思う様子」。
どちらも、「ばっちり稼ぐ」「今日の試験はばっちりだ」を例文に挙げています。
説明文が、いかにも広辞苑らしく、また新明解らしいところが面白いですね。そこがミソで、それまでの「しっかり」や「十分」では伝えられない微妙で豊かなニュアンスが、「ばっちり」には込められているんですね。だから、よく使われて流行語の域を脱したのでしょう。
最近の若者言葉、「なにげに」や「ほぼほぼ」などは、「なにげなく」や「ほぼ」と量的な差異しかなく、いずれ消えて行くものと見ています。
30年ほど前に関西にいたとき、「ばっちり」の強調形として、「バッチシ」や「バッチョス」という用法も聞きました。変化形が出来るほど、「ばっちり」は立派な基本日本語になったのでしょうね。
考えてみるとクレージーキャッツは偉大でしたね。
いまでも生存されているのは誰でしょうか。
ベースの犬塚さんが、もしかすると長生きかも。
クレージーキャッツはドリフターズより面白かった記憶があります。