ソノシートと聞いてなんのことかお分かりになる方は、けっこうご年配です。ソノシートとは、LPレコードが高価だったころ、LPにまで録音するにはどうか?という音源を録音してLPの10分の1ほどの価格で売り出されていた、ぴらぴらの樹脂にレコード溝を彫った製品です。
上の写真はソノシートが2,3枚挟まれていた「ジャケット」というか「冊子」です。表紙に曲目、中の紙に録音されている曲や演奏者の解説が書いてあります。
私は中学2年生のころからレコードを聴くようになりました。クラシックとか当時流行ったポール・アンカとかリトル・ペギー・マーチのレコードです。(この歌手たちを知っているだけでも齢が分かりますが。)
明治20年台生まれの祖母が、孫がレコードなるものを好きらしいと内容はともかく、何も分からずに「レコード状のもの」を買ってきてくれたのが上の3冊です。
録音されていたのは和製ジャズでした。「スターダスト」、「ムーングロウ」、「枯葉」といった現在でも名曲として残っているスタンダードが入っており、中学生の私は夢中になりました。
そこから私のモダンジャズ遍歴が始まったのでした。(その後の「遍歴」は 2006-07-30 にあります。「まんぼう」のマスターは2年前に亡くなりました。)
ところで、写真の3冊は一昨日のネガフィルムと同時に書庫から出てきたものです。よほど大事にしていたのでしょう。私は東京を離れるにあたって、これらも行李に入れたようです。
東京を離れてから3年後に祖母は亡くなりました。