私が高校生のころ、大みそかの紅白歌合戦はお化け番組だった。視聴率をほぼ独り占めにして、裏番組は対抗するすべもなかった。大みそかにベートーベンの第九を演奏する習慣もまだなっかった。
ときあたかも3C (クーラー、カー、カラーテレビ)の時代で、日本全体が活気に酔っていた。(上の映像で白黒のものも放送はカラーだった)。紅白歌合戦は現在よりよほど面白かったと記憶する。
高校生の私は大みそかに友人と、新宿の厚生年金会館でおこなわれた原信夫とシャープス&フラッツのコンサートを見に行った。(夜中の0時からだったから、正確には元旦ということになる)。
当時、紅白歌合戦はバックバンドも紅白に分かれており、原信夫とシャープス&フラッツは紅組。白組のバックバンドは小野満とスイングビーバーズだった。原信夫のバンドは東京宝塚劇場での紅白を終えてから厚生年金会館に駆け付けた。
厚生年金会館で原信夫は、こう言って聴衆を「よいしょ」した。
「僕たち(紅白ではなく)ここからが本番ですから」
NHKのテレビ番組で、原信夫が90歳で健在だと紹介されていたので思い出した次第。
※私の俳句(秋)
かの家もいまだ灯消えず星月夜