えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

若島正訳「ロリータ」読了

2009年01月23日 | 読書
こんな若造が、何もいえません。

:新潮文庫「ロリータ」 ウラジミール・ナボコフ作 若島正訳:

ロリータ。

『ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。
舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩目にそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。』

はじめからこの勢い、この熱さで日本語がはじまります。

『舌の先が口蓋を三歩下がって』
『三歩目にそっと歯を叩く。』

若島正さんの日本語がもうすばらしい。
言葉のリズムを、あの外国語訳のバタ臭さとうまく混ぜ合わせて
使いこなしている見事さです。
そして、ナボコフを解き明かそうとする若島さんの注の詳しさも、
本文と同じくらい熱いのです。

一気に通しては読めませんでしたが、
こつこつ読み続けるのに耐えうる飽きないことばが詰まっています。
凄いテンポ、凄い熱気。
惚れます。若島先生に。(おい!
コメント (2)
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