いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

トランプ旋風と古い米国の復活。 trump tornado & rivival of ancient america

2016-02-25 19:41:41 | 日記
 (1)米国は米ソ冷戦真っただ中の時代に43才の若さでJ.F.ケネディ大統領が就任して話題と注目を集めたが、それ以外の米国大統領は意外と老練な政治家で高年令者がほとんどだ。ケネディ大統領以外では現在のオバマ大統領が7年前に47才で米国大統領に就任したのが若い米国大統領として記憶に残る。

 (2)現在今年11月の大統領選に向けて民主、共和党の予備選が進行中だが、民主党は68才のヒラリー・クリントン候補と74才のサンダース候補に絞られてこれまで2勝1敗でクリントン候補が一歩先んじた形勢だが、サンダース候補も若者中心に勢力を拡げて結果は予断を許さないきっ抗情勢が伝えられている。

 ともに高年令の候補者であるが、元国務長官としての政治経験力と社会格差是正を訴えて若者中心に人気、支持の高い社会改革(主義)思想と、年令に関係のない政治老練と若さの対決構図だ。

 (3)共和党は不動産王で政治経験のない69才のトランプ候補が共和党保守本流系の44才のルビオ、45才のクルーズの若い両候補に3勝1敗と差をつけて独走気配(trump tornado)の様相をみせている。
 こちらの方は既成政治に「不満と怒り」(報道)を持つ米国民の支持が政治未経験で独自の資金力豊富なしがらみのない69才の発言に集まっている構図だ。

 (4)実は56年前(1960年)の大統領選は共和党の老練政治家ニクソン候補と民主党の若いケネディ候補との争いで、若いケネディ候補の行動力、演説力、自信、発信力が米ソ冷戦時代の「強い米国」を期待する米国民、米国社会(特に若者層中心)に受け入れられたものだった。

 (5)共和党ではその「強い米国」を標榜(ひょうぼう)するトランプ候補がこれまでのところ反移民政策など過激な発言でわかりやすく、かえって国民の高い支持を集める結果となっている。
 米国社会はGDPで桁違いの圧倒的な世界第1位で強力な経済力を誇り、一方政治、外交では民主党オバマ大統領の共和党前ブッシュ政権のアフガン、イラク武力介入の戦後処理に手間取って、これまでの唯一の覇権国家として国際紛争介入から一歩引いて国内保護主義に回帰したことが米国の国際的影響力の低下を招いて潜在的に「強い米国」を望む米国民の期待を裏切ってきた。

 (6)この国民の現状政治、既成政治への不満、怒りが共和党ではわかりやすい過激発言のトランプ候補に民主党ではクリントン候補へのアンチテーゼ(anti thesis)としてサンダース候補に向けられたこれまでの予備選の結果だ。

 米国の世論調査では連邦政府への国民の不満、怒りを感じている人が94%に上るというデータもある。連邦政府への国民の不満、怒りが冷静で思慮深い思考能力を忘れさせているとも思えるが、当分はおさまりそうもない政治社会事情のようだ。

 (7)民主、共和両党とも若い世代の支持が本命と見られていた豊富な政治経験、大統領一家へのアンチテーゼとして予備選に影響力を示しているようだ。
 古いようで「アメリカンドリーム」という概念が社会の根底にあり、「強い米国」を望む潜在力が米国社会の基盤にあることを再認識させられるこれまでの予備選結果だ。

 米国民に冷静で思慮深い思考能力が戻るのか、大統領候補者の何とも小粒化が懸念される。

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