いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

孫社長の経済戦略。 Son's economic strategy

2016-12-08 20:20:55 | 日記
 (1)これほどアジアの片隅の狭い国土、小さな国の日本がGDP世界第3位で、中国に抜かれるまで米国に次いで世界第2位の経済国というのは、世界でどう映っているのか、見られているのかはあまり直接的に日本には伝わってこない。

 政治の世界では安倍首相が地球俯瞰(ふかん)外交として積極的に世界各国を訪問しているが、これはこれで狭い国土で資源も豊富でない自然災害国の日本の首相としては大切な行動ではあるが、こちらの方も目に見えて世界各国との関係、連携強化の話、成果、進展は感じられない。日本の働きかけがいいように利用されている感じさえ受ける。

 (2)しかしこうした地道な努力がいつかは必要な時が来て花開くこともあるから、日本の置かれた環境、政治、経済、社会体制からすれば歓迎すべきことではある。
 もちろん海外融資だけでない国際協調、平和、環境、経済のヒト、モノ、カネの交流発展など幅広い関係強化に結びつけることが出来るかが大切で必要だ。

 (3)日本企業の海外企業の買収(M&A)が目を引く。かっての円高は海外進出の輸出産業にとっては現地円価格の高騰で強い向かい風であったが、海外企業の買収にとっては現地円価格の低下で追い風となって注目を集め、円安傾向の現在も日本企業の世界M&A展開は続く。

 6日にソフトバンクの孫正義社長がニューヨークのトランプタワーを訪れて、トランプ次期大統領と会談した。米国内の投資、雇用促進を掲げるトランプ次期大統領に対して米国に500億ドル(約5.7兆円)の投資で5万人の雇用をつくりだすと表明して注目を集めた。

 (4)孫社長は今年だけで英国メイ首相(7月)、サウジアラビア副皇太子(9月)、韓国朴大統領(9月)、トランプ米次期大統領(12月)と立て続けに会談して(報道)、それぞれと多額の投資、ファンド設立、雇用促進の話を進めている。

 孫社長による各国首脳とのトップセールスを展開しているものだが、GDP世界第3位の日本の経済力を示す経済人の海外戦略展開としてよくわかるものだ。
 もちろん日本企業の海外戦略は、商品生産、販売優先の自社利益が露骨にすぎるとかってのように警戒感が強まり排斥効果も出るが、孫社長の海外戦略は各国首脳とのトップセールスを積極的に展開して独自の企業戦略がみえる。

 (5)世界的な個人高額収入(孫社長は世界順位2桁台、ちなみにトランプさんは3桁台)経済人としての知名度にソフトバンクとしてインターネット事業で世界展開する企業性、個性の中で積極的な海外事業進出を展開しているのがわかる。

 これまでの日本企業の海外進出は外交戦略の一環としての経済界一体の交渉、そして海外に生産拠点を移しての組織的な生産販売戦略、体制が中心であったので、確かに成果としての海外での販売拡張は伝えられるが絶えず海外産業構造との確執もまた伝えられて、善し悪しのところがあった。

 (6)日本企業の海外企業、事業の買収は度が過ぎると現地産業、企業との確執の懸念はつきまとうが、孫社長の海外現地への投資、雇用促進、ファンド設立の動きは日本のGDP世界第3位の経済力を示すあたらしい海外経済戦略として注目されるものであり、あとに続く効果を期待したい。

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