(1)翁長知事の前知事が決めた辺野古沖埋め立て承認の取り消しを違法とした最高裁判決では、沖縄に合理的な理由がない限りは国の判断に従うことを理由に述べているが、翁長知事の判断行為(承認取り消し)は前知事の承認決定過程が不適切であったことを問題にしている訴訟であるから、何でもかんでも国の判断に従えという訴訟要件とは異なる範囲にまで及んでの判決内容には違和感がある。
しかもそれが地方自治体は国の政策、方針に従えという上下関係のような強圧的な判決では、三権分立の独立した司法の役割からみても国民、県民の利益、それはしいては地方自治体の利益を考慮する識別があってよかった。
(2)ことは駐留米軍基地、施設の74%が沖縄に集中するという過重負担、沖縄米軍基地問題だ。その沖縄でかねてから日米で話し合われて返還が合意していた米軍北部訓練場(国頭村)のうち4000ヘクタールの敷地が22日に返還されることになった。
政府は沖縄の負担軽減策を強調したい意向もあるのか、同返還記念式典を主催する。その直前での冒頭の翁長知事敗訴の最高裁判決であったので、さらに辺野古沖周辺での米軍オスプレイ墜落大破事故が発生してわずか6日後の飛行再開に翁長知事が同記念式典を欠席して抗議するという展開になっている。
(3)それで沖縄の米軍軍用施設は17.7%減少(報道)したということだが、まだ日本全体から見れば沖縄の基地過重負担は突出しており、政府主催の返還記念式典の気分でもないだろう。
そもそも最高裁は米軍基地問題については日本に行政処分が存在しない(それで米軍と自衛隊機の騒音問題で住民の訴えを退けた)という立場なので、米軍基地問題で国の判断に従えというのもわかったようで実はよくわからない考え方だ。
(4)司法としては米軍がからめば判断の管轄外としているので、国の判断にどうこう言えない問題だとして国の判断、方針に従えと言っているともいえるし、だからこそ国の判断の有益性について国民、県民、住民の立場から正当性を論じる、考える必要性があるともいえる。
つまり1票の格差問題での、違憲ないしは違憲状態ではあるが選挙自体は成立是認するという苦心の玉虫色(iridescence)ではあっても司法判断を示すべきともいえる。
(5)冒頭の最高裁判決確定により政府は早くも辺野古沖移設工事を再開する方針を示しており、翁長知事が明言しているようにこれからも権限を行使してそれを阻止してもこれまでのように正当性の理解が得られるかは不利な状況となった。
普天間飛行場の辺野古沖移設が進めば、同周辺住民の生活安全への危険、不安解消にはつながる。
(6)今の段階で普天間飛行場周辺住民が自らの生活安全の危険、不安を覚悟で沖縄全体の意思で米軍基地過重負担闘争を続けるというなら別だが、やはり「早く」危険、不安から解放されたいという意向が強いとすれば、辺野古沖移設は避けてとおれない選択ではある。
沖縄県、翁長知事が「沖縄の利益」をどう解釈して理解し、取り上げるのかの判断の問題であり、辺野古沖移設の「条件」として沖縄の米軍基地過重負担を将来的に(出来るだけ早い次期に)解消する方向性を条件として米国、米軍、政府に具体的に約束させる条件闘争(conditional of okinawa)も現実的な解決策としてはある。
(7)このままでは米軍基地問題で本来は同じ利益性、立場にある国と沖縄県、県民がいがみ合い、対立するという非生産的な悲劇を続けるだけだ。
しかもそれが地方自治体は国の政策、方針に従えという上下関係のような強圧的な判決では、三権分立の独立した司法の役割からみても国民、県民の利益、それはしいては地方自治体の利益を考慮する識別があってよかった。
(2)ことは駐留米軍基地、施設の74%が沖縄に集中するという過重負担、沖縄米軍基地問題だ。その沖縄でかねてから日米で話し合われて返還が合意していた米軍北部訓練場(国頭村)のうち4000ヘクタールの敷地が22日に返還されることになった。
政府は沖縄の負担軽減策を強調したい意向もあるのか、同返還記念式典を主催する。その直前での冒頭の翁長知事敗訴の最高裁判決であったので、さらに辺野古沖周辺での米軍オスプレイ墜落大破事故が発生してわずか6日後の飛行再開に翁長知事が同記念式典を欠席して抗議するという展開になっている。
(3)それで沖縄の米軍軍用施設は17.7%減少(報道)したということだが、まだ日本全体から見れば沖縄の基地過重負担は突出しており、政府主催の返還記念式典の気分でもないだろう。
そもそも最高裁は米軍基地問題については日本に行政処分が存在しない(それで米軍と自衛隊機の騒音問題で住民の訴えを退けた)という立場なので、米軍基地問題で国の判断に従えというのもわかったようで実はよくわからない考え方だ。
(4)司法としては米軍がからめば判断の管轄外としているので、国の判断にどうこう言えない問題だとして国の判断、方針に従えと言っているともいえるし、だからこそ国の判断の有益性について国民、県民、住民の立場から正当性を論じる、考える必要性があるともいえる。
つまり1票の格差問題での、違憲ないしは違憲状態ではあるが選挙自体は成立是認するという苦心の玉虫色(iridescence)ではあっても司法判断を示すべきともいえる。
(5)冒頭の最高裁判決確定により政府は早くも辺野古沖移設工事を再開する方針を示しており、翁長知事が明言しているようにこれからも権限を行使してそれを阻止してもこれまでのように正当性の理解が得られるかは不利な状況となった。
普天間飛行場の辺野古沖移設が進めば、同周辺住民の生活安全への危険、不安解消にはつながる。
(6)今の段階で普天間飛行場周辺住民が自らの生活安全の危険、不安を覚悟で沖縄全体の意思で米軍基地過重負担闘争を続けるというなら別だが、やはり「早く」危険、不安から解放されたいという意向が強いとすれば、辺野古沖移設は避けてとおれない選択ではある。
沖縄県、翁長知事が「沖縄の利益」をどう解釈して理解し、取り上げるのかの判断の問題であり、辺野古沖移設の「条件」として沖縄の米軍基地過重負担を将来的に(出来るだけ早い次期に)解消する方向性を条件として米国、米軍、政府に具体的に約束させる条件闘争(conditional of okinawa)も現実的な解決策としてはある。
(7)このままでは米軍基地問題で本来は同じ利益性、立場にある国と沖縄県、県民がいがみ合い、対立するという非生産的な悲劇を続けるだけだ。