いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

任命責任の不実。 insincerity of duty of designation

2017-07-29 20:08:22 | 日記
 (1)稲田防衛相(当時)が日報隠蔽問題の責任を取ってこの問題を調査する特別防衛監察結果が発表される前日に突然辞任の意向を表明したときには、さすがに稲田防衛相が日報隠蔽に関与していたことが同報告書に盛り込まれていたのかと推測した。

 28日に発表された同報告書はそもそも防衛省内の防衛相直属の特別防衛監察の調査とあって「(稲田防衛相に日報)データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」(報道)としつつも「稲田防衛相が(日報隠蔽を)決定・了承した事実はなかった」(同・( )は本ブログ注)という、防衛省内の傷のさすり合いという茶番で幕引きを演じたということになった。

 (2)防衛省内とはいえ背広組(官僚)が制服組(自衛隊)を監督するシビリアン・コントロールの理念にもとづいた特別防衛監察でもあるのだろうが、そもそも直属の稲田防衛相(当時)自身の疑惑とあっては勝手は違った。

 稲田前防衛相についてはその発言、行動から資質、能力、判断力で防衛省内外から疑問視されてまさに頼りない大臣であったが、当事者の防衛省内をはじめ内外からの個人的な資質、能力、判断に対する批判、指摘についてはちょっと気の毒のような感じを受けた。

 (3)稲田前防衛相を擁護するつもりははなはだもないが、本人が希望して防衛相に就任したのかどうなのか、これに対して安倍首相が任命責任(duty of designation)はすべて自分にあると国民におわびしたいと述べているとおり、こういう大臣を任命した安倍首相の判断、政治力に責任と問題があるのであって、その任務にふさわしくなく応えられなかった稲田前防衛相の個人的資質、能力不足を今更あげつらってみてもそれは適当ではないし、はじまらない。

 (4)本人の資質、能力の適、不適と疑惑解明は別問題だ。安倍首相は稲田防衛相の辞任を受けて、後任に岸田外相を防衛相兼務とした。8月上旬の内閣改造までの臨時対応とみられるが、安倍首相が任命責任を重く受け止めるのならば当然任命した安倍首相が防衛相を兼務して大臣、背広組、制服組それぞれのトップが同時に辞任する異常事態の防衛省内部組織崩壊の立て直しに努めなければならないのは当然のことだ。

 (5)ことあるごとに(これが多い)安倍首相の任命責任痛感が言葉だけの誠意のない(insincerity)ものに聞こえてくる(実際、理解できる行動を見たことがない)のは安倍政治の本質を映すものだ。

 安倍首相、安倍政治は早口八丁で自説をまくしたてるだけで、誠意が感じられない。誠意のなさが国民の安倍嫌いとなって支持率の急落につながった。

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