いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

型どおりと無礼の間。 between stereotyped and insolent act

2016-02-09 19:43:02 | 日記
 (1)北朝鮮が事前通告期間を1日前倒したその初日の7日午前にミサイルを予定通りの海域に向けて発射した。わざわざ1日前倒ししたのだから、日本も予告初日のミサイル発射に向けて警戒を強めて迎撃ミサイル警備の配備も早めて対応を急いでいた。

 ミサイルは打ち上げ10分後に沖縄上空を通過して(報道)、予定落下海域よりその先の海域に落下したとみられている。ほぼ予定通りのコースを通過してさらにその先に落下したことから、ミサイル技術の性能が向上していると見られる半面、制御技術に問題があるとの見方もある。

 (2)そんなことより沖縄上空を通過したことが日本にとっては主権侵害、大きな安全脅威問題であり、不測事態に備えてミサイル迎撃システムを配備していたとはいえ、そもそも高速で飛んでくるミサイルを正確に確実に撃ち落とす技術力はまだ確立されていないというのが通説なので、ひとつ間違えれば沖縄でもどんな影響被害が及んだのか予告通告などで(しかも幅の広い不定期期間内での)済まされる国の安全確保の問題ではないだけに、北朝鮮の勝手で不条理な危険蛮行はまったく許されるものではない。

 (3)北朝鮮がミサイル発射予告を関係国際機関に通告したのは中国の高官特使が訪朝中(報道)のことであり、国際社会はこのことで中国のメンツをつぶされたとの見方をしているが、北朝鮮が中国の意向を無視して面前でメンツをつぶすようなことを平然と行ったとすれば、その無鉄砲、無軌道、無分別、孤立覚悟は東アジアにとって極めて深刻な安全問題だ。

 確かに昨年末の北朝鮮歌舞団の訪中後の突如の行事中止帰国など、中国とは微妙に関係変化が報じられているがそれでも友好親善行事のことであり、唯一の支援協力国の中国の政治的立場、影響力を無視するような無礼なやり方(敵対する米国、日本などに対してはいつもそうだが)をすることは考えにくいところだ。

 (4)中国は今回の北朝鮮のミサイル発射に抗議の姿勢は示しているがこれまでの型どおり(stereotyped)のくり返しであり、ミサイル発射予告が中国の高官特使が訪朝中のことでもありかえって何らかのコンセンサス(consensus)があったと見ることも考えられる。

 先立つ北朝鮮の言う水爆実験実施でも中国、ロシアは型どおりの批難はしても、安保理制裁協議では制裁に強い態度の米国、日本などとは距離を置いた対話重視の一定の北朝鮮擁護の姿勢を見せている。

 (5)このことがいまだに北朝鮮への具体的な制裁決議に至っていないことであり、国際社会の不一致の足元を見透かしたかのような北朝鮮の堂々とした国際社会への予告通告の手順を踏んださらなるミサイル強行発射の挑発行動であった。

 中国が今回の北朝鮮のミサイル発射計画を事前にコンタクト(contact)をとってあえて阻止しなかった(南シナ海に関与を続ける米国へのあてつけも考えられるが)のではないのかの疑問は、北朝鮮のミサイル発射予告通告時に中国高官特使が訪朝中であったことが大きなカギだ。

 (6)通常では考えられない外交上の処置であり、唯一の支援協力国の中国を相手の瀬戸際外交でもない。外交上の非礼は相手国の立場を大きく損なうものであり、ましてそれが中国となるとさすがに北朝鮮といえども素直に受け入れることはできずに、北朝鮮にとっても戦略が開けるものとは思えない。

 さらにミサイル発射の国際手順は踏んでその計画どおり実施されたことも、単なる国際社会を無視した北朝鮮独断での常軌を逸した暴挙というにはその裏があるように見えてくる。
 今後の中国の出方、対応が注目される。

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かげろうのシャープ。 the sharp is shimmering

2016-02-08 19:32:07 | 日記
 (1)国際的な企業の支援吸収、合併話の内幕が完全合意の前から表舞台に出てくるのもあまり聞いたことがない。液晶事業依存から脱却できずに経営不振に陥り経営再建先を模索中のシャープは、かねてから共同事業を行ってきた台湾の電子機器受託製造の世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業から7000億円規模の出資を受け入れる方向で調整(報道)に入ったといわれている。

 他には国民投資(税)を資本とする産業革新機構の支援も検討対象ということだが、税活用の制約もあって出資額が3000億円(報道)程度といわれて、台湾鴻海とは歴然とした出資差がありシャープ経営再建は台湾鴻海に絞られたようにみられている。

 (2)電子機器受託製造を世界展開する台湾鴻海は、かって画期的な薄型液晶技術開発で世界のパネル、ディスプレイ産業をリードしたシャープの技術開発力に注目して、その豊富な資金力、資産を背景に早くからシャープ再建に出資の意向を示してきたが、技術の海外流出に懸念を持つシャープとは折り合わずに一時は交渉も立ち消えになっていた。

 このたびシャープが台湾に出向いての協議を行う手はずのところ、急きょ台湾鴻海の郭会長の方から日本のシャープ本社に出向いて8時間(報道)もの再建協議を行ったといわれる。

 (3)台湾鴻海のシャープ再建出資(シャープ技術開発力、ブランド獲得)にかける強い思いが伝わってくるものだった。8時間も協議が続いたということで出資支援協議は簡単には進まなかったことが予想される。

 シャープとしては自国再建によるシンボリックな国民負担(税)を活用した産業革新機構との支援協議の選択肢も残しており、ことに画期的ともいわれたシャープ液晶技術開発力の海外流出は避けたい意向が強いともいわれて、これの技術獲得でさらに世界戦略、展開を加速したい台湾鴻海の思惑とは相容れないところがある。

 (4)この日の協議を受けて台湾鴻海の郭会長が「今日は優先交渉権の合意書にサインした」(報道)と示したが、シャープ側が「そのような事実はない」(同)と即座に否定してみせて思惑の違いもあきらかとなった。

 8時間にも及ぶ協議の中では再建支援策、条件について相当多岐にわたって突っ込んだ議論が行われたわけだから、双方話としては優先交渉権や技術開発の取り扱いについて意向、確認がなされたことは間違いないので、合意書の文面以外のところでむしろ核心部分が交渉中で非公開の部分も多くあったことが想像できる。

 (5)結論を急ぐために台湾鴻海の郭会長は日本のシャープ本社に乗り込んできたわけだから、自分に都合のいい話を示して交渉をリードしたい、既成化(an accomplished fact)したい意向が「優先交渉権の合意書にサインした」発言となってあらわれたのではないのか。

 液晶パネルのシャープが7000億円の出資条件に目がくらんだわけでもあるまいが、自社再建方針協議で独自性、主張性、主導性を見失って台湾鴻海に翻弄されたシャープの芯の弱さが出た印象は強い。

 (6)交渉ごとであれこれプロセスの内部話が勝手に流出してそれを当事者がいちいち否定するということは、交渉協議の稚拙さを示すものだ。現時点で公表すべき内容につて主導的に念を押す周到さが必要であった。
 
 多分に交渉相手の台湾鴻海はシャープの本意(出資額の魅力)の足元を見越しての交渉を確実にしたい陽動作戦に打って出たとも思われる。

 (7)シャープの経営不振は余程深刻なものだろうが(シャープ自身の事業革新、改革への取り組み不足が招いたもの)、かっての画期的な技術開発力の高さで自主、自社再建に賭けることもあわせて再建方針の見直しが必要ではないのか。

 シャープを見限っての技術者の流出もあるといわれて再建時間は多くはない。このまま交渉内容を途中暴露してそれをシャープが否定してまわるという台湾鴻海との再建協議では、シャープのブランド消滅に向かうことになる公算は強い。

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同一労働同一賃金。 the same labor belongs to the same wages

2016-02-07 19:52:09 | 日記
 (1)安倍首相は1億総活躍社会を目指している。あちらを立てればこちらが立たずの世間で耳触(ざわ)りのいい言葉だが、何を言いたいのかよくわからずにそんなことが出来るのかの眉ツバものの見方が強い。

 女性活躍の社会実現、働き方改革、生産性向上などがそのテーゼ(these)を支えるものとして捉えているようだが、具体的推進力がなくて見栄えばかりが浮きあがる政策だ。女性管理職を30%にする提言も政府機関内での15年度の実現を早々にあきらめるなど、言葉、数字だけが先走りする安倍政権の政策の有り様だ。

 (2)その中で同一労働同一賃金(the same labor belongs to the same waqges)の実現に前向きに取り組む姿勢を見せている。労働形態が多様化(diversity)した中で、賃金格差が拡大して労働格差社会のゆがみが記録的な生活保護者250万人以上のさらに伸びる勢いの格差社会を増長させている。

 格差社会の是正は今日的な世界的な重要克服課題であることは、経済学者のトマ・ピケティさんも21世紀の資本論で述べている。
 同一労働同一賃金問題は正規雇用と非正規雇用に代表される今日的な労働形態の多様化問題であり、賃金補償の問題である。

 (3)正規雇用と非正規雇用は企業の都合もあれば、個人の都合もあり、経済事情、地域の都合もあれば業種の都合もある複雑に入り組んだ社会的背景がある。
 そもそもは長引くデフレ不況下で雇用不安定が続き、企業も業績、生産の見通しが立てれずに生産規模の変化に労働力を柔軟に対応、調整するための方法論(methodology)として、非正規雇用の労働形態が急伸した背景がある。

 正規雇用と非正規雇用は一般的には身分保障、雇用期間、賃金の格差が前提となっており、労働形態が同じくても補償格差は歴然としていた。

 (4)企業からすれば正規雇用と非正規雇用の企業活動を支える意識、意欲、自覚、経営業績に対する責任負担能力に基本的な違いがあることから、同一労働であっても賃金格差を反映させることが合理的な企業倫理と判断してきた歴史がある。

 労働形態の多様化はすでに欧州では労働自由化のEUの中で、たとえば雇用安定を守るために労働時間を細分化してワーキング・シェア(working share)し、個人の収入は減少してもできるだけ多くの雇用を確保する労働環境を支える工夫が支持されており、同一労働同一賃金も法文化(報道)されている。

 (5)労働者の同一労働同一賃金は労働能力形態からみれば基本的な合理的な考え方であり、普遍的な労働哲学である。ただし、これは賃金体系の中で労働成果、効果を出すことが趣旨なので個々の能力にかかわらずに残業代支給の理論はないのが合理的な考え方だ。

 日本の場合は戦後復興の高度経済成長期から労働力は企業業績を推進する歯車としての役割論もあって、雇用形態は年功序列の正規雇用が基本となってきた。
 男女平等社会理念に核家族社会による男女社会参画の機会意識の高まりの中で、女性の社会進出も増えて労働形態にもパートなど多様化の流れが芽生えていく。

 (6)この段階では賃金格差は同一労働がともなわないこともあって身分保障格差となって社会問題とはならなかった。現在の非正規雇用は身分保障の違い以外は政府が同一労働同一賃金制度を目指すものであり、その身分保障も正規雇用への転換や将来にわたっての非正規雇用促進が制度化されて、同一労働同一賃金の「働き方改革」を推し進める政策となってあらわれている。

 (7)同一労働同一賃金ならすべて正規雇用でというのが合理的な判断になるが、将来にわたっての身分保障での企業負担の重さと経営業績、成長力の見通しとの比較対効果の問題だ。
 企業責任の自覚、重さを賃金格差に反映するという企業論理があるが、これはポストによるもので正規、非正規の比較問題とはならない。

 

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日銀とNHKのリーダーたち。 the leaders of the bank of japan and nhk

2016-02-06 19:51:24 | 日記
 (1)今、日銀とNHKの日本の金融とメディアを代表するリーダーの発言の不確かさ(unreliable)、不協和音があきらかとなってきている。
 日銀黒田総裁は先月末に銀行、金融機関の預金がこれ以上日銀に流れ込むのを防ぐ意図でマイナス金利策導入を発表したが、その際に銀行、金融機関の預金金利に影響はないとの見方を示していた。

 本日の紙面トップは「3大銀、定期預金金利下げ」の文字が躍り、市場も敏感に反応して「株安、円高に逆戻り」に向かっているとの分析だ。

 (2)日銀黒田総裁は市場に従来の2倍のカネを供給する異次元の金融緩和策を実施して日銀は国債を買いまくってきたが、円安株高効果は招いたが利益は大企業に集中して国民生活、中小企業、地方経済には波及せずに、デフレ脱却に向けた物価目標2%達成は15年度から17年度前半に次から次へと先送りされて、これからどこまで延ばせば目標とやらが叶うのかもはや黒田総裁の(もちろん日銀政策決定会合の多数意見でもあるのだろうが)ひとりよがり発言にしか聞こえない。
 日銀総裁の発言に信ぴょう性、信頼性が極めて薄れてきている。

 (3)日本の金融政策のカジ取りの日銀総裁の発言が軽い印象、極めて自己満足に終始しているのは、パラドックス(paradox)として企業、国民の資産管理、運用、支出、投資に極めて慎重で保護主義に向かわせる結果となっている。

 銀行、金融機関の預金、資金が日銀に向かわせ、国民の賃上げ効果が銀行預金に回って市場に出回らずに消費動向が上向かないのも、日銀黒田総裁のマネーゲームのような金融政策へのひとりよがりでどうやら信ぴょう性の乏しい自己満足発言が影響しているのではないのか。

 (4)今後、マイナス金利策で銀行、金融機関の日銀預金、資産目減り分を国民預金者の負担に回すことは経済原理原則であり、実際に定期預金金利引き下げ、個人向け商品、国債の新規販売停止となった。
 日本の金融、経済の実体性がわからない不確実性の時代を招いている。

 (5)NHK籾井会長は就任以来数々の問題発言、無責任発言が続いて公共放送NHK会長としてよくこれまで持ったなと思うが、職員、子会社の不祥事続出でNHK予算にも自民党の厳しい条件、注文つきでようやく3度目の審議(報道)で了承された。

 会長が会長なら、職員、子会社も同列で、主に受信料収入に頼る公共放送としての使命、役割、責任は感じられない。

 (6)自民党総務会のNHK解説委員発言への政治介入発言で、籾井会長は「(解説委員について)偏った考えを持った人がいる」(報道)と同調してまたまた報道の自由、自主性を否定するかのような発言を行っていた。

 すでにそうであるが、NHK会長として不適格者であることは疑いようもない。NHKも民営化すべきだ。

 (7)日銀とNHKといえば、日本の社会構造形成の中心軸をそれぞれに構成するものであり、そのリーダーとしての発言には尊敬と信頼、見識、示唆、責任の重さが求められ、注目される立場にある。

 己を捨てるところから国民、社会、国に公平、公正に貢献することが求められるが、現在のリーダーたちはこれを私物化(own property)しているようで先行きが危うい。

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民主党は嫌いだけれど。 we have a dislike to democratic party of japan , but

2016-02-05 19:57:51 | 日記
 (1)民主党は「民主党は嫌いだけれど、民主主義は守りたい」という党宣伝ポスターを作成してキャンペーンを始めるらしい。世間からは「自虐的」という声も聞かれるが、まったく意図のわからない、冗談ともつかない安倍官邸、自民党1強時代に打つ手なしの手詰まり閉そく、いっそやけっぱちに話題だけでも注目を集めようというパラドックス(paradox)戦略のようだが、まともに見れば落ちるところまで落ちたという印象だ。

 (2)野党第1党の民主党がそんなテイタラクな自信喪失状況だからでもあるまいが、甘利辞任にもかかわらずに安倍内閣の支持率が各メディア調査で軒並み上昇するという怪奇現象まで起きている。
 国民も国民だが、政治も政治だ。逆に安倍内閣、自民党も普通ならこの政治的怪奇現象に本当かいなと警戒感を持たされているのではないのかといらぬ心配をするほどだ。

 (3)アベノミクスの経済政策推進で財務省の抵抗を押し切って安倍首相を支えて、TPP交渉でも連日の深夜、徹夜の交渉が報道されて大筋合意の立役者のように見られた安倍首相の盟友で重要閣僚のひとりの甘利経再担当相が引責辞任した「報道」効果が、その政治とカネ、利権口利き疑惑の政治的重大性が公になる前の引き際の潔さ(安倍首相は乗り切れるとタカをくくって甘利さんの続投を考えていたが、甘利さんがこれを拒んで辞任という報道)ばかりが目立って、パラドックスとして安倍内閣支持率の上昇に貢献したという怪奇現象を招いたように感じるものだ。

 (4)もちろん背景には安倍内閣に代わる、代われる政権政治勢力がないという弱小野党、安倍政権に無音の自民党内政治状況があるのは間違いはない。
 そこで自信喪失の民主党はやけっぱちのような冒頭の「民主党は嫌いだけれど、民主主義を守りたい」というキャンペーンポスターの作成だ。

 何かの逆転効果を狙ったものなのか、ただただ弱々しさばかりが目について「民主主義」など守れる資格も能力も度量(magnanimity)もないと宣言しているような民主主義が消え入るような余韻しか残らないメッセージ標語でしかない。
 民主党は、前民主党政権放棄、崩壊で国民の生活を守れなかったのに出直しのポスターで「国民の生活を守る」などとした自己否定のポスターキャンペーンを行った経歴もある。

 (5)甘利辞任を受けても安倍内閣の支持率が上昇するというのはこういった野党のテイタラクが後押ししているわけだが、ここまできたらかえって民主党にとっては落ちるところまで落ちて腹をくくって上を向くしかないのもせめてもの好材料だ。

 民主党の間違いは09年政権時の自己否定した革新的政策の失敗の「検証」をきちんと責任を持って行ってこなかったいいかげんさだ。公共事業の廃止、高速道路無料化、最初は国内外国人も対象とした子ども手当のばらまき、株価7千円低迷などなど、政策自己否定の原因がどこにあったのかきちんと合理的に説明責任を聞いたことがない。

 (6)解党、新党などの野党連合の前に「ゼロ」からの「政策制度設計」をひとつひとつ重ねて提示して、安倍首相の言う提案型政治に応えて政治精度を高めていく意欲、努力が必要だ。

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