(1)人間とAIの共存社会が現実のものとして動き出す時代の到来だ。AIの言語能力の進歩(大規模言語モデル)が著しく、人間が言葉で依頼してAIが言葉で答えられる作業は何でもすぐに答えを返してくる時代は現実(報道)のものだ。
(2)10年前に今後10~20年以内に47%の仕事が機械に奪われかねないと予測した論文を発表した英オックスフォード大教授でも、AI言語能力の進歩は予想以上(インタビュー)だと指摘している。
(3)現在、経済、社会でAI知能が導入されているが、人間の指示に従って思考、判断、行動から言語能力を持って言葉で依頼して言葉で答えることになると、もはや人間が行えるものすべてにわたって対処できることになり、政治にこそ必要となる時代がくるかもしれない。
(4)議院内閣制の日本では、国政は選挙によって国民有権者の選択で負託を受けた議員が国会で首相を選び、内閣を構成して行政を執行するが、重要政策、法案では国会議員の数の力、党利党略、首相の独断専行によって国民の意見、考えと違って決められることが多く混乱を招いて、民主主義の危機ともいわれる。
(5)近年、国際政治ではわかりやすくすぐ実現する権威主義、専制国家、極右政治勢力が台頭する要因にもなっている。そういう政治状況にAI言語能力の進歩した普遍的な価値基準を使って思考、判断、行動するAI知能が導入されるとしたら、どうなるのか。
(6)露のウクライナ軍事侵攻の戦況予測、軍事能力の比較、経済制裁の効果、停戦条件、可能性などなどのAI判断、日本の防衛費増額も尖閣、台湾有事の外交交渉努力を含めて進歩したAI知能の判断、選択、行動がわかりやすく政治基準として有効手段になってくる時代がくるかもしれない。
(7)政治の人間的なかけ引き、思惑、利害、結束、つながりを排除した普遍的基準によるAI知能の原理、原則的な思考、判断、行動力学がみられて、国民にとってもわかりやすい比較の政治構造、構図を提供するのではないかの期待はある。
(8)まずは人間社会としてそういう時代とどうつきあって共存していくのか、効果があるのか、どんな未来社会をつくるのか、十分にシミュレーション、思考、思慮する必要はある。