夏の間案外少なかった「おくやみ放送」。
朝晩ひんやりし始めたこの頃、また増え始めた。
コロナ禍で、家族葬ばっかりになったから、
隣町の葬儀場までの送迎バスこそ走らんようになったけど、
この町のどこかで誰かが亡くなっていってることに変わりはない。
私が越してきてから丸9年。
この間、いったい何百件の「おくやみ放送」聞いたやろ。
私が住む集落の人口は、私含めて21人やったんが、
この9年間で7人の爺ちゃん婆ちゃんが亡くなった。
その他にも、2人の人が施設入所しはった。
移住してくる人もたま~にいてはるけど、全体として人はどんどん減っていってる。
その一方で、急に増えたんが人間以外の生き物たち。
鹿なんか、夜は平気で家の庭歩き回ってる。
特に目立って増えたんはカラスかな。
カラスさんゆうたら、今まではこんなふうに、
高ーい電信柱のてっぺんでひとり、凛としてあたり見回してたもんや。
それがこないだ、下の家のあたりでなんかバサバサするなぁ思たら、
うわ、こんな大勢が、こんなに人の近くでたむろしてるの初めて見た。
なんや、なんかあったんか ?
「うだうだ‥‥わいわい」
おひとりはなんか用事思い出したかして、どっか飛んでってしもたけど、
残ったおふたりさんはそれからもしばらく居座って、
なにやら話し込んでる。
「最近、どない ?」 「うーん、もひとつやねえ」
てなもんなんかなあ。