まさかの人身事故で30分遅刻…。
たった数駅なのに、タクシー待っても来ない。捕まえたら大渋滞…。
これは、神様がお前は観るな!引き返せ!と言っているのか?
いや、違う!
神は、我に新しい使命をお与えになった。
今まで、自殺する人間に、自殺を考えている人達に、
自殺はあかん!頑張って生きるんや!
と書いてきたが、それは大間違いだと気付いた。
自殺を促す環境、それが悪の源。
私は、タクシーの中で怒りが抑えられなかった。
頑張って生きようとしているのに、追い打ちをかける奴らの存在が私は許せない。
毎日毎日、何処で人身事故。おかしいと思わない?無関心もええとこやわ!
SOSを発しているのに見抜けないなんて。世の中どうかしてるよ!
もし、私の使命だと言うならは、喜んで戦います!
ということで、
「にんじん」以来の、しのぶさんの舞台を観てきました。
30分も遅刻したので、こういったシリアスな演劇は観客の集中力が必要とされるので、楽しみの邪魔や迷惑をかけたくなかったので、1時間半の辛抱だと思ってロビーのモニターで観させてもらおうと案内係さんに申し出たら、私の思いをくんでくださり、だれも迷惑にならない後ろの席を案内して下さりました。
生で観る方が断然良いですよ!とも仰って下さり、
兵芸のスタッフさんの柔軟な対応と心遣いに感謝です!
本当にありがとうございました!!!
本当はね、タクシーの運転手さんに、早く飛ばして下さい!と言いたかったですが、新人の方だったし、渋滞だから文句言っても仕方ないので、40分間タクシーの中で顔や態度から感情が出ないように哲学して気を晴らしてました。自分の感情と戦っていたので、正直、理性を保てて良かった。運転手さんに八つ当たりしても仕方ないしね。
お陰で、兵芸のスタッフさんの柔軟な対応や、しのぶさんのフェードル、感動しているお客さんに感動できたので、遅刻した30分は、お勉強の時間になりました。ぶっちゃけのぶっちゃけ、ブログのネタになりましたけど(笑)
ということで、30分観ていないので導入部分がさっぱり分かりませんが、
フェードルが義理の息子イポリットに恋し、拒絶され、イポリットに愛する女性がいることを知り嫉妬に狂う。
本筋が見えてきたので、あとは、役者陣の演技と物語の展開を楽しむことができました。
いかにもギリシャ悲劇的脚本。舞台の外側の出来事は台詞で説明。
だけどここで描かれている世界観は、
「リア王」「葵上」「身毒丸」「摂州合邦辻」「道成寺」「王女メディア」等等。私が観た舞台がフラッシュバックされました。源氏物語、能、シェークスピア、現代演劇…の根底に流れてる血のようなものを感じました。
そして、一連のギリシャ悲劇と違って、救いのような一筋の光が見えるラストに、どうして今まで上演されてこなかったのか不思議でならなかった。
しのぶさん演じるフェードルは、まさに女。理性と本能の狭間でもがき苦しむ女性。私の視点では、決して悪女でも魔性の女でもない。どこにでもいる女性。特に、両親や社会の圧力に屈して生きてきた女性。女性だけじゃない、男性も一緒。誰が決めたか分からない常識で我を見失った人間。
不倫を全肯定するわけじゃないけど、好きになってしまったのは仕方ないのも正直なところ。理性で押さえつけられない感情があるのも良く分かる!
そもそも、お姫様は、一般市民より自由がない。政略結婚とか、人間でなく人形扱い。普通の恋愛が出来ない人達なんだよ。って考えると、夜の中、多種多様な性的思考が蔓延していて当たり前!隠れてコソコソなんて当たり前!
世の中の犯罪や、問題発言する人達自体だけが悪者だと思わない。その人達を生み出した環境にも悪魔が潜んでいると思うよ。
犯罪や問題発言自体は厳しく罰したり咎める必要はある。
だけども、その人の人格を100%否定するのは間違ってると言いたい。
間違いなく、1%以上は取り巻く他者にも問題があると思っている。
いつも書きますが、赤ちゃんの時から犯罪するために生まれてきたのか???
違うでしょ?
自殺するために、殺されるために生まれて来たのか?
違うでしょ!
フェードルは、そんな可哀想な女性なんよ。
やはり、しのぶさんは、狂女が似合う!
ただの狂女じゃなく、抑圧から生まれる多重人格的な、純な乙女の部分と狂女の二面性を持ち合わせていて、時にはコケティッシュな存在で笑いがあったりと、魅力溢れた役でした。
っていうか、赤の衣装がよく似合っていて、妖艶な雰囲気を全身からオーラを発していて、とっても魅力的なフェードルでした!色香がめちゃ漂ってました!しのぶさん自身、まだまだ魔性の女ですね!素晴らしい!
っていうか、栗山さん、プロデューサーさん、よくまぁ、しのぶさんのために素晴らしい作品を見つけてくれました!と言いたい。
メディアとか身毒丸の継母といった悪女じゃなく、狂女ではあるけども、ちゃんと人間の血が通った女性の役を見つけて下さり、「ピアフ」もしかり作品のチョイスが素晴らしい!
最後のフェードルの選択は、フェードルの本来の人間性を浮き彫りにしていると思います。
自殺が善い、悪いではなく、乳母による強い愛情が故の歪んだ導きに屈せず我が道を行くフェードルの行いには救いを感じるし、イポリットの遺言を受け入れたテゼにも救いを感じる。
そうなんよね〜、全ての悲劇は、皮肉なことに、相手を思い遣る気持ちから生まれてるんよねー。
よく出来てる!
ぶっちゃけ、どのギリシャ悲劇より最も人間らしい内容だと思ったのは私だけ??
あ、そうなんや!ソフォクレスとかのマジのギリシャ悲劇でなく、1600年代のラシーヌの戯曲なんや。そりゃ血が通ってるわ!
イポリットを演じた林遣都君。声だけ聞いたら、藤原君やん!?声質も台詞回しだけでなく、立ち姿も藤原君にそっくりだった!
めちゃくちゃ藤原君を研究したか、藤原君の演技に影響を受けているのが伝わりました!素晴らしい表現力でした!
私は、真似は決して悪いとは思いません。真似ることで学ぶことは多々あるし、真似が出来ること自体、間違いなく才能です。
なので、遣都君にはこのまま舞台でも活躍してほしいですね。っていうかオファーは絶えないと思うよ!
悪の根源とは言いたくないが、まさにフェードルを操っている乳母役のキムラ緑子さん。愛情故の進言なので責めることは出来ない。
そういえば、「スウィニー・トッド」でもしのぶさんと共演してたよね!いやー懐かしい!藁
超久々の谷田さん。貫禄が凄い!初演の時は、ラストに見せ場があるテラメーヌ役やったんや。テゼに相応しい人物像を作り上げていたと思います。王様はやはり貫禄がないとね!ピッタリでした!
30分観損ねましたが、十分楽しめたし、感動しました。
なにより、しのぶさんの生の舞台が観れて嬉しかったです。
本来なら、京都で「女の一生」を演る予定だったのが、東京だけになってしまったからね。
南座で再演を宜しくお願いします!
フェードルも再々演お願いします!
どちらも間違いなく上演あると思いますが!
そうそう、カーテンコールでしのぶさんから挨拶がありました。
今日の遅刻でも思いましたが、どんなに気を付けても、上演できなくなったり、観劇できなることがあるので、こうやって東京の作品が関西でも観ることが出来るのは、当たり前じゃないんだと改めて思い知らされました。
本当に本当に関西で上演して下さりありがとうございました!!
キャストの皆さん、スタッフの皆さん、劇場スタッフの皆さん、私共観客からも感謝の気持ちでいっぱいです!
大千秋楽まで残り数日、無事迎えられることを祈ってます!
追記:
先日、職場でラジオを聞いている方がいて、たまたま流れていたのがしのぶさんの番組でした。
まさかNHK第一でラジオ番組をされていたとは全く知りませんでした!あとでアプリで聞き逃し配信で聞かせもらいました。
まさか、内容がオールナイトニッポンGOLDの時とあまり変わってなくて嬉しかった!
偶然とはいえども、このお導き凄くない??(笑)
そしてそして、タクシーの中で、そういえば、10年前のちょうどこの2月、「大人はかく戦えり」の舞台も大雪で観れなかったことを思い出しました。もう少しで二の舞になるとこでした。
実は更に過去にもチケット持っていたのに、「肝っ玉おっ母とその子どもたち」の舞台も観れませんでした。
しのぶさんとは何かと現象に遭遇します。今日も、今さっき東北で地震がありました。
どうか皆さんご無事でありますように!