二銭銅貨

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10国立劇場5月/新版歌祭文、団子売/文楽

2010-05-12 | 歌舞伎・文楽
10国立劇場5月/新版歌祭文、団子売/文楽

(第2部)

新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)   
 野崎村の段
 油屋の段
 蔵場の段

おみつが簑助、久作が玉女、久松が清十郎、お染が紋壽。久三の小助が勘十郎で、クリクリと良く動く悪辣。

大夫は野崎村が文字久大夫、綱大夫、住大夫。綱大夫は重々しい。住大夫は幾分軽快な感じで人情の波を浄瑠璃にじんわりと乗せていく。久作のオタオタした感覚、あせった気分が良く出ている。子供大事の親の気持ちが良くわかる。住大夫は言葉が分かりやすい。文字久大夫は元気良く最初の部分をかたった。

油屋の段は咲甫大夫に咲大夫。2人ともに現代的な言葉使いで分かりやすく、また物語の抑揚もしっかりと付けてダイナミックな演出だった。

人形の中では、だはの勘六の素朴で大きな芝居が若々しくて良かった。もろ肌脱いだその姿が、この薄暗い物語をちょっと明るくしているようで印象に残った。この人形は玉也。

蔵場の段のセットと照明が良かった。薄暗い照明の中、お染めと母の間で交わされる言いようの無い残酷な会話、これが、この世の地獄かと思われる。この作者は何故こんな酷い場面を作ったのだろうかと思う。みんな好んで野崎村の方を見る理由が分かる気がした。

10列目で見た故か、人形があまり印象に残らなかった。近眼か老眼の故かも知れない。

団子売(だんごうり)

団子売り夫婦の踊り。杵造が幸助、お臼が一輔。お臼の踊りがかわいらしかった。なお、お臼には足がついていた。

10.05.09 国立劇場
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