からっ風野郎 ☆☆
1960.03.23 大映、カラー、横長サイズ
監督:増村保造、脚本:菊島隆三、安藤日出男
出演:三島由紀夫、若尾文子、船越英二、川崎敬三、神山繁
水谷良重、志村喬、根上淳
からっ風が吹きすさぶような画面の印象は三島由紀夫がもたらしたものなのだろうか?他の出演者の精緻で美しい芝居が際立っているだけに、荒々しい三島由紀夫の芝居が目立って、そんな印象を与えているのだろうか?リアルな荒々しさ、荒っぽさ、乱雑さという意味では、これも1つのリアリズムなのかも知れない。
ずいぶんと月並みなストーリーだけれども、それでも主人公の心の矮小さが良く出ていて、それがこの物語の主題なんだと感じさせる。それが、その矮小さが人間なんだと感じた。
エレベータで運ばれて行く三島由紀夫が、わざとらしい。陳腐な演出だけどやけに印象に残る。三島由紀夫が可哀相だ。
若尾文子にキレがあり、強くて、気風が良くて、美しい。衣装の色合いも美しく映る。引き立て役の川崎敬三のナヨナヨ感も芸術的だ。神山繁のゼンソク持ちの殺し屋もすばらしい。これもワザとらしい芝居なんだけれども、落ち着き払った殺しの職人がクールだ。
10.04.29 新文芸座
1960.03.23 大映、カラー、横長サイズ
監督:増村保造、脚本:菊島隆三、安藤日出男
出演:三島由紀夫、若尾文子、船越英二、川崎敬三、神山繁
水谷良重、志村喬、根上淳
からっ風が吹きすさぶような画面の印象は三島由紀夫がもたらしたものなのだろうか?他の出演者の精緻で美しい芝居が際立っているだけに、荒々しい三島由紀夫の芝居が目立って、そんな印象を与えているのだろうか?リアルな荒々しさ、荒っぽさ、乱雑さという意味では、これも1つのリアリズムなのかも知れない。
ずいぶんと月並みなストーリーだけれども、それでも主人公の心の矮小さが良く出ていて、それがこの物語の主題なんだと感じさせる。それが、その矮小さが人間なんだと感じた。
エレベータで運ばれて行く三島由紀夫が、わざとらしい。陳腐な演出だけどやけに印象に残る。三島由紀夫が可哀相だ。
若尾文子にキレがあり、強くて、気風が良くて、美しい。衣装の色合いも美しく映る。引き立て役の川崎敬三のナヨナヨ感も芸術的だ。神山繁のゼンソク持ちの殺し屋もすばらしい。これもワザとらしい芝居なんだけれども、落ち着き払った殺しの職人がクールだ。
10.04.29 新文芸座