二銭銅貨

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カルミナ・ブラーナ/新国立劇場バレエ09-10

2010-05-22 | バレエ
カルミナ・ブラーナ/新国立劇場バレエ09-10

振付:デヴィッド・ビントレー、指揮:ポール・マーフィー
演奏:東京フィル

前半はガラントゥリーズという名称の振り付けで、モーツァルトの初期の作品の幾つかを用いたもの。演奏は小規模な弦楽によるものだった。クラッシクな振り付けで舞台も白い衝立を2枚置いただけの簡素な作りで30分くらいの上演だった。衣装は淡い黒とオレンジかベージュのような色合いで地味な色彩、日本的な雰囲気だった。優雅で優しい中にも直線的な鋭さを感じる振り付けだった。

後半は約1時間のカルミナ・ブラーナ

作曲:カール・オルフ
出演:運命の女神フォルトゥナ:湯川麻美子、恋する女:高橋有里
   ローストスワン:寺島まゆみ、神学生1:吉本泰久
   神学生2:福田圭吾、神学生3:芳賀望
   ソプラノ:安井陽子、バリトン:今尾滋、テノール:高橋淳

最初と最後の「おお運命よ」の踊りはへんてこで印象深い。シャープでそれでいてクネクネしている。直線的でなおかつ曲線的なのだ。演奏は強力で迫力に満ちていた。声楽はバリトンが主体でしっかりと歌われていた。テノールはローストスワンの歌だけのようであったが、気持ち悪さが良く出せていて良かったと思う。ソプラノは強い芯のあるクリアなソプラノだと思った。

美術は黒が基調の重厚な感じのものだったけれども、オフザケ満載なのでそんなに重苦しくなく、というよりも、むしろ軽快な印象だった。鮮烈な赤の衣装のフォルトゥナは鮮烈なイメージで、この赤のために全美術が作られているのかと感じた。赤は血の色、恋の色、生命の色だから。

演出はシモネタありのオフザケをさりげなくやる感じで面白い。バレエダンサーは元気良く、合唱は強く、楽しい公演だった。

10.05.04 新国立劇場
コメント
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