07国立劇場9月/菅原伝授手習鑑/文楽
(第2部)
初 段 加茂堤の段
筆法伝授の段
築地の段
二段目 杖折檻の段
東天紅の段
丞相名残の段
簑助は奴宅内(やっこたくない)。裸になってどぼんと威勢良く池に飛び込み、死体をあげる。舞台の左端へ行くと、水で濡れた体を手ぬぐいで拭く。背中をゴシゴシ、手足をゴシゴシ。ヒョウキンな動きで、悲劇の場面にかまわず、寒くなってブルブルと震えながら、ちょうちんにまたがって体を温めたり。ちちちらと死体をあげた現場の方を見ているが、その後、死体を見つけた褒美をもらおうとして中央に出ていく。しかし、逆に犯人にされて取り押さえられ、じたばた、じたばた。もがく、あばれる。シリアスなシーケンスの中に愉快な表現がめいっぱい。
文雀は伯母覚寿(かくじゅ)。強靭な婆さん役。娘を殺され、婿を殺す。二段目の物語全体の主軸を成す。
勘十郎は宿禰(すくね)太郎で悪者。覚寿の娘婿で、覚寿に殺される。刀で刺される瞬間、衣装が緑から赤に変わる。その赤に重ねて、その大きな赤い顔。顔がゆがみ苦しそう。悪行が苦しみとなって周囲に発散していくような、分厚い大きな悪辣と、その報いの表現。
文司は左中弁希世(さちゅうべんまれよ)でピエロの役。悪だくみが一杯でいつも失敗ばかり。どつかれまくり。倒されまくり。悪い奴だが、楽しくて、きっぱりとした、愉快な表現。
07.09.16 国立劇場
(第2部)
初 段 加茂堤の段
筆法伝授の段
築地の段
二段目 杖折檻の段
東天紅の段
丞相名残の段
簑助は奴宅内(やっこたくない)。裸になってどぼんと威勢良く池に飛び込み、死体をあげる。舞台の左端へ行くと、水で濡れた体を手ぬぐいで拭く。背中をゴシゴシ、手足をゴシゴシ。ヒョウキンな動きで、悲劇の場面にかまわず、寒くなってブルブルと震えながら、ちょうちんにまたがって体を温めたり。ちちちらと死体をあげた現場の方を見ているが、その後、死体を見つけた褒美をもらおうとして中央に出ていく。しかし、逆に犯人にされて取り押さえられ、じたばた、じたばた。もがく、あばれる。シリアスなシーケンスの中に愉快な表現がめいっぱい。
文雀は伯母覚寿(かくじゅ)。強靭な婆さん役。娘を殺され、婿を殺す。二段目の物語全体の主軸を成す。
勘十郎は宿禰(すくね)太郎で悪者。覚寿の娘婿で、覚寿に殺される。刀で刺される瞬間、衣装が緑から赤に変わる。その赤に重ねて、その大きな赤い顔。顔がゆがみ苦しそう。悪行が苦しみとなって周囲に発散していくような、分厚い大きな悪辣と、その報いの表現。
文司は左中弁希世(さちゅうべんまれよ)でピエロの役。悪だくみが一杯でいつも失敗ばかり。どつかれまくり。倒されまくり。悪い奴だが、楽しくて、きっぱりとした、愉快な表現。
07.09.16 国立劇場
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