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08歌舞伎座10月/本朝廿四孝、雪暮夜入谷畦道、英執着獅子/歌舞伎

2008-10-13 | 歌舞伎・文楽
08歌舞伎座10月/本朝廿四孝、雪暮夜入谷畦道、英執着獅子/歌舞伎

本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
 十種香、狐火
出演:玉三郎、菊之助、松緑、権十郎、團蔵、福助、尾上右近

 すっきりと白い衣裳は玉三郎の狐火の踊りの姿。隙のない衣裳に隙のない踊り。所作も姿もみな美しく、最初から最後までが玉三郎。美しい本朝廿四孝。

 菊之助は勝頼で端整。松緑は信玄の家来で小気味良い。信玄の團蔵は悪役で、暗黒の妖気がその隈取からにじみ出、漂っていた。
  
雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)
直侍、浄瑠璃「忍逢春雪解」(しのびあうはるのゆきどけ)
出演:菊五郎、菊之助、團蔵、田之助、家橘

 やるせない清元を謡う大夫が3人、三味線が4人舞台に並ぶ。登場人物による説明によると、隣の家で清元を練習している最中だそうです。この清元にのせて、清元と芝居のセリフの掛け合いで物語が進んで行きます。七五調の河竹黙阿彌のセリフと上品な清元の掛け合いは、何か透明で無心な印象。遠くの方から、この世の不条理を訴え掛けて来ているように感じます。

 田之助が飄々と生きている按摩のおじさん。團蔵が軽いノリの子悪党。このペラペラしたいかにも歌舞伎っぽい小悪党が良い。

 最初のほうで菊五郎がソバをつーっ、つーっ、と食べる芝居がある。いっきに飲み込む江戸っ子の喰い方だ。本物のソバを使っているらしい。

英執着獅子(はなぶさしゅうじゃくじし)
出演:福助

 重々しい花魁の衣裳に始まって、だんだんに着物を脱いでいって活動的な踊りに変化していく。最後はピンクの衣裳に赤いかつらの獅子の舞。かつらを振り回すところはパワーは感じられないのですが、かなりの長い時間、まわしていて、その気合の入りようが伝わってきます。かわいらしい獅子の精。

 後見は男役と女役が1人づつ。蝶々を飛ばしたり、着物の準備、小道具の準備と大忙し。この後見役の女形の役者の姿勢の良さ、キビキビした動き、目線の鋭さ、福助との呼吸のタイミングをはずすまじとした隙のない集中が注目された。この後見は芝のぶだったらしい。

08.10.10 歌舞伎座

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