二銭銅貨

星の数: ☆良い ☆☆すごく良い ☆☆☆激しく良い ☆☆☆☆超激しく良い ☆☆☆☆☆ありえない

ラ・ボエーム/MET07-08舞台撮影

2008-10-21 | オペラ
ラ・ボエーム/MET07-08舞台撮影

作曲:プッチーニ、演出:フランコ・ゼッフィレッリ
指揮:ニコラ・ルイゾッティ
出演:アンジェラ・ゲオルギウ、ラモン・ヴァルガス
アインホア・アルテタ

ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演された歌劇をスクリーンで見るもの。映画のようにカットがあり、またクローズアップのあるので、劇場のTV中継と同じスタイル。幕間には指揮者や演出、主演者たちのインタビューもあって楽しい。臨場感は若干、落ちるが特に役者の表情・しぐさが良く見える点が良い。

美術が美しく、劇は全体にテンションが高く迫力があった。特にムゼッタ役のアインホア・アルテタがめいっぱいに余すところなく歌っていて気持ちよかった。みんな元気良すぎで、あんまり悲しい感じはなかった。

美術では雪が興味深かった。本物の雪みたいにサーっと落ちてくる。紙なのだそうで、日本のよりは余程細かく切ってあるようだ。日本のは大きく切ってあって、くるくる舞いながらゆっくり降りてきます。

08.09.23 東劇
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熱愛者

2008-10-20 | 邦画
熱愛者  
1961.08.29 松竹、カラー、横長サイズ
監督:井上和男、脚本:新藤兼人、原作:中村真一郎
出演:岡田茉莉子、芥川比呂志、乙羽信子、山村聡、桑野みゆき
   月丘夢路

岡田茉莉子企画。

芥川比呂志が大学教授で、
妙に理屈っぽい理論家。
愛の理論の振り回しすぎで、
恋愛のなんたるかが分からなくなっている様子。
にもかかわらず、惚れっぽくてすぐに熱愛してしまう人らしい。

岡田茉莉子は仕事バリバリの、
明るいお嬢さん。
くるくるファッションが変わって、明るく楽しい。
やり手なんだけど恋愛の気持ちも熱い。
熱しやすい。

そんなアツアツの2人の恋のなりゆき。

乙羽信子が岡田茉莉子のお姉さん役。
山村聡が芥川比呂志の友人役。
月丘夢路は芥川比呂志に縁を切られる恋人役で、
ねばりのある強い中年女性。オペラ歌手。

08.09.28 神保町シアター
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赤い砂漠

2008-10-19 | 洋画
赤い砂漠 ☆☆☆
Il Deserto Rosso
1964 イタリア、カラー、普通サイズ
監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ
脚本:トニーノ・グエッラ
出演:モニカ・ヴィッティ、リチャード・ハリス

どうんよりとした薄曇、
風が冷たく、
すさんだ空気が漂う中、
唯一元気に工場の煙突が間歇的に炎を吹いている。
巨大な発電の工場はゴーゴーうなりをたてて、
煙を吐き、スチームを噴射して、
耐えざる騒音を構内に撒き散らしている。
そんな中で働いている技師達は無表情だ。
無感動だ。
人の心を失ったのか、
人でなくなったのか。

すさんだ工場外周の土地は、
絶えざる水溜りとゴミの溜まり場。
雑草や茂みがところどころにあって、
荒れ放題。くずれ放題。

そんな殺伐とした砂漠のごとき工場の周囲を1人、
いや、小さな子供を1人連れて、
ウロウロしているのがモニカ・ヴィッティ。
可哀相に縮こまって、
青ざめた表情に、
深いくすんだ緑のコートを羽織り、
何かに飢えて、震えている。
人から買った喰いかけのパンをかじる姿がいじらしい。
孤独だ。

誰も居ない、何も無い砂漠で1人ぼっちだ。
話しかける人も居ない、
話しかけてくる人も居ない。
涙も出ないし、
声も出ない。
虚無的で、無惨だ。
最後に船乗りに話しかける場面があるけれど、
この船員は外国人で言葉を解さない。
だから、彼女の話は独白と同じだ。
映画には数多くの人々が写るが、
彼女には誰一人として見えていないのではないだろうか?

映画に砂漠は出て来ないけれども、
「赤い砂漠」の赤が、
彼女がずっと昔の過去に流した血の涙だと感じられて、
それで、本当に可哀相だと思った。

若干、難解でわかりにくいテーマであり、また、表現であると思う。いろいろな感じ方のできる映画だと思った。フィルムが若干、変色、退色していて、色合いの感じがわかりにくかった。

08.09.14 NFC
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制服の処女

2008-10-17 | 洋画
制服の処女 ☆☆
Madchen in Uniform
1931 ドイツ、白黒、普通サイズ
監督:レオンティーネ・ザガン、脚本・原作:クリスタ・ウィンスロー
脚本:F・D・アンダム
出演:ヘルタ・ティーレ、ドロテア・ヴィーク、エミリア・ウンダ

全寮制の女学校。
鼻じわのよった学校長の婆さん、
小柄だけれども鬼の軍事教官のようないかめしさ、
これでもか、これでもかと、
きつい処罰を繰り出してくる。
魔法使いの元締めみたいな、その嫌な感じ。
それにその校長の腰ぎんちゃくのような、
老女教師だか事務員だかが居て、
これもネチネチしていて気持ちが悪い。

自由で闊達な新入りの女生徒をはじめ、
女学生たちは負けてはいない。
なんだかんだ言って、
いきいきと青春を謳歌する。
そんな中に、
最後には例の校長と対決する生徒思いの若い女性教師がいる。

テンポよくハギレが良い。
縦じまの囚人服のような学生服のデザインが中核で、
全体に縦線の多い美術が、この物語の堅苦しさを表している。

そんな鉄格子のような規律に負けない若い人達の躍動感がこの映画のベースになっている。戦前のファシズムの時代の映画だから、暗にそれを批判する内容にもなっている。一方で、主役の女生徒の若い女性教師への思慕の情、恋愛感情が表現されていて、それがこの映画の横糸になっている。その按配は欧州的な妖しい雰囲気でもある。

監督は女流で、舞台のものを舞台女優+舞台監督で映画化したものだそうです。字幕が少なく、若干、筋を追っかけるのがつらかった。

08.09.14 NFC、70年代にNFCで
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08歌舞伎座10月/本朝廿四孝、雪暮夜入谷畦道、英執着獅子/歌舞伎

2008-10-13 | 歌舞伎・文楽
08歌舞伎座10月/本朝廿四孝、雪暮夜入谷畦道、英執着獅子/歌舞伎

本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
 十種香、狐火
出演:玉三郎、菊之助、松緑、権十郎、團蔵、福助、尾上右近

 すっきりと白い衣裳は玉三郎の狐火の踊りの姿。隙のない衣裳に隙のない踊り。所作も姿もみな美しく、最初から最後までが玉三郎。美しい本朝廿四孝。

 菊之助は勝頼で端整。松緑は信玄の家来で小気味良い。信玄の團蔵は悪役で、暗黒の妖気がその隈取からにじみ出、漂っていた。
  
雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)
直侍、浄瑠璃「忍逢春雪解」(しのびあうはるのゆきどけ)
出演:菊五郎、菊之助、團蔵、田之助、家橘

 やるせない清元を謡う大夫が3人、三味線が4人舞台に並ぶ。登場人物による説明によると、隣の家で清元を練習している最中だそうです。この清元にのせて、清元と芝居のセリフの掛け合いで物語が進んで行きます。七五調の河竹黙阿彌のセリフと上品な清元の掛け合いは、何か透明で無心な印象。遠くの方から、この世の不条理を訴え掛けて来ているように感じます。

 田之助が飄々と生きている按摩のおじさん。團蔵が軽いノリの子悪党。このペラペラしたいかにも歌舞伎っぽい小悪党が良い。

 最初のほうで菊五郎がソバをつーっ、つーっ、と食べる芝居がある。いっきに飲み込む江戸っ子の喰い方だ。本物のソバを使っているらしい。

英執着獅子(はなぶさしゅうじゃくじし)
出演:福助

 重々しい花魁の衣裳に始まって、だんだんに着物を脱いでいって活動的な踊りに変化していく。最後はピンクの衣裳に赤いかつらの獅子の舞。かつらを振り回すところはパワーは感じられないのですが、かなりの長い時間、まわしていて、その気合の入りようが伝わってきます。かわいらしい獅子の精。

 後見は男役と女役が1人づつ。蝶々を飛ばしたり、着物の準備、小道具の準備と大忙し。この後見役の女形の役者の姿勢の良さ、キビキビした動き、目線の鋭さ、福助との呼吸のタイミングをはずすまじとした隙のない集中が注目された。この後見は芝のぶだったらしい。

08.10.10 歌舞伎座
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