先日、独りで散歩していたら途中で男子小学生を連れた知人女性と逢った。自転車を停めていろいろと話しをしてると 「この子、飛行機が大好きなんです」 と子供さん (K君) を紹介してくれた。
K君に問いかけると好きなのはブルーインパルスのアクロバット飛行とのことだった。だが突然 「おじさん、バードストライクって何ですか?」 と、聞かれた。
だが路上で長話しをする訳にもいかないので、後日メールするからと納得して貰った。
実は一年前にもブログへ 「バードストライク」 のタイトルで投稿していたので、それを少しアレンジして再投稿することにしました。
「バードストライク」 とは、航空機が飛行中、エンジンに鳥を吸い込む不具合だが、時々、この 「バードストライク」 なる言葉を私たちは聞いているはずだ。
困ったことにこの不具合が起るのは高度の低い離、着陸時だけだが、ターボファンエンジン (ジェットエンジンの一種) の泣き所は異物を吸い込むことで、高速回転しているブレードと言う部品が損傷するから厄介な出来事でもある。。
このようにエンジンが異物混入で損傷することを通称 「FOD (Foreign Object Damage) エフオーデー」 と呼んでいる。
私は空港などでの整備は判らないが、永年地上の運転場でテストした経験からも整備上、最も注意したのがこのFODを防ぐことだった。
テスト前にはエンジン前方などでは充分に異物の有無を確認できるが、運転場は大きな構造物だからいろいとな異物が落ちてエンジンが吸い込む可能性は皆無ではない。
このFODの最たる不具合がバードストライクだが、相手は鳥だから人間が自由に制御できるものでも無い。
それならと例え鳥を吸い込んでも部品の損傷を極力防ぐ対策がエンジンには実施されている。
鳥を吸い込んでもエンジンの火が消えたり、損傷した部品が機体に飛んで行かないなどの条件 (たくさんある) を満たさないと航空機に搭載できないように厳しく決められている。
そのためエンジンは開発段階でその条件を満たしているかの確認試験をするが、飛行中を再現できないので、地上でテスト中のエンジンに鳥を撃ち込んで損傷状態を確認する 「バードストライク・テスト」 を実施しているはずです。
日本では国の大型プロジェクトとして 「大型ターボファンエンジン (FJR710/600)」 を開発したが、私はこのエンジンの 「バードストライク・テスト (鳥打ち込み試験)」 にはエンジン・オペレーターとして参加している。
貴重な体験をさせてもらったが、その時の経験を私のホームページ FJRエンジンの想い出・その5 「鳥打ち込み試験 (バードストライクテスト) 」 に纏めてありますので、興味ある方は覗いてみてください。
なお、貼付した写真は航空自衛隊・C1輸送機に搭載されているターボファンエンジン (JT8D) のインテーク部 (ファンブレード) です。もし、鳥と衝突するとまずこのブレードが損傷します。
K君もこのブログを見て、何か質問があればメールください。
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写真説明: JT8D エンジンのインテーク部
撮影場所: 航空自衛隊・入間基地にて (2017.11.3)
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私のホームページ (のぶまつ @ ほーむぺーじ) で
新しいカテゴリー 「花の名を知る写真館」 を公開しました
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