もう
実家には何年戻ってなかったのだろう
あれは僕が5歳のとき
あまりに苦しい経済状態だったうちは
僕をおばさんのところに預けたんだっけ
「すぐに迎えに来るからね」
ずっと待っていたけど
母さんは迎えには来てくれなかった
ああ
何年ぶりだろう
僕が生まれた年にこの店も生まれて
まるで双子のように名付けられたんだっけ
ああ
変わらない
母さん だよ ね
老けたけど
一目でわかる
僕の母さんだ
そうそう
このハイボールも変わらない
これで割ったミルクで僕は育ったんだ
おかげでこんなに
「アル中ハイマー」
なんて病気にかかってしまって
こんな
ショーモナイことを書くようになってしまった
もう30年以上経ってしまっているから
もう母さんも覚えているはずが無いよね
ただの飲み屋なのに
僕にはオフクロの味がする
そうそう
どのお客さんも
必ずコレを頼んでいたっけね
僕も毎日食べていたのを覚えているよ
「ウチはこれでもっているのよ」
結局もたなくなって
僕を置きざりにしたくせに
もう僕のことなんか
覚えていないのだろうけど
なんだか一目会えただけで嬉しい
ねぇ
お客さん ウチ 初めて?
え えぇ・・・
どっかで お会いしたことない?
い いぇ・・・
ううん 絶対会ったことあるわ・・・
この感じ 絶対どこかで・・・
もしかして・・・ もしかしてなの?
あなた のんち?
そうよ 絶対そうよ!
あなたのんちね 間違いないわ!
あぁ のんち 大きくなって
どうして・・・どうしてわかったの? 母さん・・・
だってあなた
いっつもハイボール飲むとき
薬指と小指をピーーンと立てて飲もうとして
周りをキョロキョロっとして
ちょっと恥ずかしげに小指だけたたんで飲もうとするじゃない
横向いてグーーーッと飲んだ後
ブルブルって顔振って
キクーーーーッって顔するじゃない
すかさずシロとかほおばって
また横向いてグーーーッと飲んだ後
またブルブルって顔振って
美味いじゃ (゜д゜lll) ないっスカ!! って
すかさず煮込みに手を伸ばしたかと思うと
まずは割り込んだジャガイモに汁たっぷり吸わせて
またまた
美味いじゃ (゜д゜lll) ないっスカ!! って
あなた以外に誰がいると言うの?
観察しすぎだよ・・・
冷めたよ 母さん・・・
春のnonchフィクション妄想劇場
実家には何年戻ってなかったのだろう
あれは僕が5歳のとき
あまりに苦しい経済状態だったうちは
僕をおばさんのところに預けたんだっけ
「すぐに迎えに来るからね」
ずっと待っていたけど
母さんは迎えには来てくれなかった
ああ
何年ぶりだろう
僕が生まれた年にこの店も生まれて
まるで双子のように名付けられたんだっけ
ああ
変わらない
母さん だよ ね
老けたけど
一目でわかる
僕の母さんだ
そうそう
このハイボールも変わらない
これで割ったミルクで僕は育ったんだ
おかげでこんなに
「アル中ハイマー」
なんて病気にかかってしまって
こんな
ショーモナイことを書くようになってしまった
もう30年以上経ってしまっているから
もう母さんも覚えているはずが無いよね
ただの飲み屋なのに
僕にはオフクロの味がする
そうそう
どのお客さんも
必ずコレを頼んでいたっけね
僕も毎日食べていたのを覚えているよ
「ウチはこれでもっているのよ」
結局もたなくなって
僕を置きざりにしたくせに
もう僕のことなんか
覚えていないのだろうけど
なんだか一目会えただけで嬉しい
ねぇ
お客さん ウチ 初めて?
え えぇ・・・
どっかで お会いしたことない?
い いぇ・・・
ううん 絶対会ったことあるわ・・・
この感じ 絶対どこかで・・・
もしかして・・・ もしかしてなの?
あなた のんち?
そうよ 絶対そうよ!
あなたのんちね 間違いないわ!
あぁ のんち 大きくなって
どうして・・・どうしてわかったの? 母さん・・・
だってあなた
いっつもハイボール飲むとき
薬指と小指をピーーンと立てて飲もうとして
周りをキョロキョロっとして
ちょっと恥ずかしげに小指だけたたんで飲もうとするじゃない
横向いてグーーーッと飲んだ後
ブルブルって顔振って
キクーーーーッって顔するじゃない
すかさずシロとかほおばって
また横向いてグーーーッと飲んだ後
またブルブルって顔振って
美味いじゃ (゜д゜lll) ないっスカ!! って
すかさず煮込みに手を伸ばしたかと思うと
まずは割り込んだジャガイモに汁たっぷり吸わせて
またまた
美味いじゃ (゜д゜lll) ないっスカ!! って
あなた以外に誰がいると言うの?
観察しすぎだよ・・・
冷めたよ 母さん・・・
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