ああ、やっぱりね。
あなたは、あの人と、まだ関わってる。
あなたが、何の気無しに残した、わずかなデータは、
あの人の住む地域を示す。
何を調べたの?
どこかへ、一緒に行くの?
そういえば、この間、おしゃべりバカが、
あなたに、何か伝達してたわね。
毎年の例のアレか?
マズいラーメン屋で集合の、花火大会か?
みんな、あなたとあの人が復活してるのを知ってて、
2人して誘われたとか?
で、初めて行くラーメン屋の場所を確認してた…。
早朝の不可解な行動といい、決定的だわ。
あなたの行きつけのカフェは、とっくに潰れてたから、
あの朝も、パン買う為に、あの方角から来たんじゃない。
残るは憎しみだけ
久しぶりに、あの人に会った。
エレベータの前で。
あの人は、ドアの向こうから、慌てて出て来て、
いつもの作り笑顔で、元気良く挨拶した。
近くにいたのは、掃除のおじさんと私。
いったい、誰に挨拶したの?
あの人、落ち着き無いから、目が合った瞬間、
エレベータから降りて来たのが、私だって、
分からなかったんじゃないかしら。
しつこいメールに、あの笑顔ができるのだとしたら、
むしろ、私なんて、眼中に無いって事でしょ。
本当に、久しぶりに会えたというのに、感動しなかった。
私は、もはや、あの人に恋する事より、
あの人の幸せが許せないのだ。
好きな人の笑顔が嫌だなんて、何て寂しい。
あの日の朝も、彼女と一緒に来たのかもしれない。
だから、機嫌良かったのかもしれない。
静かに、1人で朝食を取る彼女を見て、憎らしく感じた。
あなたの顔なんて、見たくない。
あなたの声も、聞きたくない。
目の前から、消えてほしい。
その、少年にように「ちっちゃくて可愛い」姿が、
私を苦しめる。
あなたは、私と目も合わせない。
隠してるからでしょ。
あの人の事、今も好きだって!
あなたさえ、いなければ、
私は、あの人を好きでいられるのに!