
大地震にそなえて、居住地域の大がかりな防災訓練があった。
泊まりで避難所体験もできるというので、私は自ら希望した。
参加者はほとんどが自治会役員。
どうにか集めた最低人数、女性も少なく、健常者の大人ばかり。
積極的な人間が班に分かれて活動すれば、大きな問題も起こるはずはない。
それでも夜中の体育館に響くイビキはすさまじかったし、
起床時間より、1時間も早く誰かが起き出せば、
次々とかたづけ始めたり、しゃべったりで、寝ていられない。
自分の生活習慣を他人に押しつけてはいけない
本当に体験が必要なのは、参加する気もない無関心な人達。
実際に大地震が起きたら、体育館は勝手な人達であふれかえるだろう。
和気あいあいと談笑する中、1人がつぶやいた。
「1週間もしたら、誰も口きかなくなるよ。」
やる事のない避難所では、食事だけが唯一の楽しみとなった。
絶望した人々の心に濁流は流れる
アドバイザーの須藤眞啓氏の講義は、リアリティーにあふれていた。
介護を必要とする人が、パウダールームのない避難所で、人前でオムツを替えられる事を嫌がり、
やがて排泄しないように食事をしなくなり、死んでいくという話には涙が出た。
報道される美談とは裏腹な人間関係、ボランティアの実態、現実は厳しい。
マニュアル改善の為の訓練を無事終えて、満足気な主催者の話の後で、須藤氏は言う。
「マニュアルは役に立ちません。これは、だいたい1週間後の状態です。
3日間は飲まず食わずです。行政に頼ってはいけません。
3日分の食料は、自分達で用意して下さい。」
いいですか。3日分の食料は…!
私はホームヘルパーの資格を持ってまして
介護老人ホームにも三日だけですが実習に
行きました。ほんときれいごとじゃすみません。
無言で流れ作業のように入園者さんの
おむつ交換・食事をさせるなど仕事をこなしていく
職員さん。でも人手が全然足りないんです。
それを非難することはできません。
話がそれちゃいましたかね、ごめんなさい。
アドバイザーの須藤氏から「福祉のボランティアは崇高だけど、災害時に遠くからやってくる、にわかボランティアの人達は、何も持たずに来て飯は食っていく。行政から言われないとトイレ掃除もやらない。」という話を聞いたのです。
何か手伝う事じたい、大変な事なのですけどね。
私は気持ちに余裕がないから、せめて自分の事は自分でして、集団生活の時は他人に迷惑をかけないようにしたいと思います。
大地震、こなきゃいいけど~。
まだ、3日分は蓄えてないんですよ。