ノーブル・ノーズの花の穴

麗しき本音のつぶや記
~月に1度ブログ~

ファースト介護

2024-11-13 09:34:49 | Weblog

まるで、ファーストラブみたいな物言いだが、
とうとう来た、親の介護。

母のボケの方ではなく、
父の高熱がキッカケだった。

弟に着信があり、
2人して、職場から実家へ直行。
人に頼るのが嫌いな父が、
初めて「来てほしい。」と言ってきたのだ。

脚が立たなくなり、朦朧としているので、
掛かり付けのクリニックに電話したら、
「風邪のような症状や熱は無いですか?」と聞かれ、
父に確認したら、「少しある。」と言うので、
測ったら、39度。

しんどいはずだ。
なぜ、先に言わない?

父は、黒のパッチのまま、タクシーに乗り、
車イスで出迎え。
別室で、点滴。

しかしその後も、
父は、以前のようには歩けなかった。

布団からトイレに行くまでに、お漏らししてしまう。
その部分の病気の影響もあってか、
コントロールできなくなっていた。

私はその日、実家に泊まり、
次の日もう一度、
父を、クリニックに連れて行くはずだったが、
出発前に、父が転倒して頭を打ち、
よけい動けなくなってしまった。

クリニックに相談したら、
「頭のCTは、ウチではできないので、
救急病院で調べてもらってほしい。」と言われ、
別の病院へ搬送。

CTの結果、頭は異常無し。
同病院で、点滴もやってくれた。

少々ボケの母は、家事はできるが、
だんだん省略するようになっている。

母は、父が、いつまでも元気でいると信じていたいのか、
「頑張れ。甘えるな。」と、
前日も、高熱の父に、ひどい事を言っていた。(笑)

ルーティーンが決まっていて、プライドもある父は、
弟が、「オムツを。」と言うと、否。

私が、女性用生理用品の残りを持って行き、
「とりあえず、これをパンツにはさんでみたら?」と提案すると、
やってくれたが、位置が違うので、パンツが濡れてしまった。

そこで、以前から、買い置きしてあった紙パンツを、
「オシッコは、トイレですればいいから、
これをはいてみたら?」と促したら、
あっさり承諾。

年寄りを納得させるには、順番があるのだ。

私は今まで、苦労知らずで育った。
両親には、感謝しかない。
だから、介護も嫌ではない。

父が倒れた後、帰宅途中、
夜風を浴びながら、清々しい気持ちになった。
悲しくはない。
これで、やっと恩返しができる。

介護で頭が一杯で、
自分の、普段のイライラが無くなった。

次に、実家に行った時は、
オシッコ臭くなった父を、スポンジで丸洗いした。
「三助」になった気分で、面白かった。

今はまだ、この程度だから言えるのかもしれない。

しかし、むしろ私には、両親への執着があるのだ。
他人に、両親の気持ちなど分かるまい。
私が、2人を守りたい。
弟とも、介護について、意見がぶつかるだろう。

私は、両親を頑張らせない。(できる事はやってもらう。)
私も、頑張り過ぎない。(やれる事をする。)

少し落ち着いてから、秋のばら苑にも行ったし、
温泉施設で、マッサージも受けた。

先日、実家に行ってみたら、
父は、以前より歩けるようになっていた。
クリニックの医師の言葉を思い出した。
「治るには、時間がかかるんです。」

一気に、介護と決めつけていた、
弟も私も、あせり過ぎていた。

しかし、紙パンツは常用となったし、
2人のボケも、少しずつ進んでいる。

予定は、カレンダーに記入してあるのに、
日にちや曜日を、何度も聞いてくる。

粗大ゴミの申し込み方法が、
年寄りには複雑過ぎる。
防災用のペットボトルは、用意してあっても、
母は力が無く、キャップが開けられない。

そういう事からして、簡単にはいかない事を、
世間や行政は、分かっているのだろうか。

全てが、これからなのだ。
この年で、何もかも初めてだが、
この年だからこそ、惑わず。

体力も気力も、衰えた私だが、
両親への想いがある。
今はそれだけが、私のエネルギーだ。

 


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