
AM11:00。
シャッターのポストから中をのぞく。
わずかに上げられたすきまから、足元が見えるように、わざとウロウロする。
それでも開かないので、裏口で声をかけた。
せっかちに店の奥へ進もうとすると、食券を促され、席を指定された。
続けて2人入ってくると、香田晋に似た店主が、
「お好みはっ?」
とさわやかに聞いてきた。
初めての私は、基本がわからず、
「えっ?うぅっ、普通っ!!」
と必要以上に大声を出してしまった。(笑)
後の2人が、
「かため。」
「かため、脂少なめ。」
と頼んだので、
「しまった。かための方が、おいしいのかなぁ。」
と少し後悔。
3つのどんぶりに汁がそそがれ、何もしない弟子2人が、
「かため!」
「かため、脂少なめ!」
と叫ぶと、
店主はズンドーから麺をザルに上げ、派手なアクションで、ジャッジャッと湯切りする。
「普通」の私の麺はというと、ちゃんと又フタが閉められ、
しばらくすると、
「かため以外!」
という不必要な掛け声と共に取り出された。
湯の中で泳いでいた残りの麺が、全て私のどんぶりに入ったので、
ちょっと得した気分。(笑)
お湯でビチョビチョになった床を、弟子がふいている。
テーブルに並ぶ調味料の多さにとまどい、とりあえず無臭にんにくとこしょうを入れ、
ラーメン酢は匂いを嗅いだだけで、フタを閉めた。
普通においしい、とんこつしょうゆ。
なぜに毎日混むのかと思えば、やはり知名度とパフォーマンスによるところか。
ドアの外には、直系の弟子の写真付家系図が張ってあり、
キャッチコピーがついていて面白い。
私が食べた○○家の店主は、
「街道の暴れ馬」
他は「初の女性店主」とか「家系貴公子」とか、人間の描写なのに、
ここの店主だけ「馬」とは?(笑)
ちなみに私の家族が総大将の店に行った時、
彼は好みを聞く前に勝手に作り始め、従業員に、
「この人は、やわらかめ。」
と指摘されると、
「おかしいなぁ。俺は顔見りゃ、十中八九当たるんだよ。その顔は、かためのはずなんだがなぁ。」
と言い放ったそうな。(笑)
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