電力使用率、９割超続く＝暖房除く節電呼び掛け

令和３年１月２３日

電気事業連合会
電力使用率、９割超続く＝暖房除く節電呼び掛け

　厳しい寒さによる暖房使用の増加による電力需給の逼迫（ひっぱく）は１２日も続いた。
沖縄を除く９大手電力管内で供給力に対する使用率は９割を超えた。
大手電力で構成する電気事業連合会は、「暖房は通常通りに使用を」としつつ、不要な照明を消すなど節電への協力を呼び掛けた。

　各社の発表では、午後８時までの最大使用率は関西電力で９９％、四国電力は９８％に達した。
使用率は電力需給を表す指標で、９７％超は「大変厳しい」状況を示す。


釧路火力発電所（釧路市、出力１１万２千キロワット）が２０２０年１２月４日、営業運転を始めた。

　各社は古い火力発電所の稼働や各社間での電力の融通などに追われているが、
火力発電の燃料である液化天然ガス（ＬＮＧ）の在庫が不足する懸念も高まっている。
１３日以降も天候次第で厳しい状況となる可能性がある。

　梶山弘志経済産業相は１２日の記者会見で、「電気の効率的な使用を続けてもらいたい」と述べたが、
政府による数値目標設定や節電要請は見送った。　

　電力需給の認識をめぐっては「危機的な状況」（関係者）だとする電力業界と、政府の間にずれがある。
資源エネルギー庁は「東日本大震災直後などと比べ、電力供給力が不足する可能性は現状では低い」（電力基盤整備課）と説明している。
一方、ある大手電力関係者は「緊急事態宣言など国民への『お願い』が連続することや、
節電要請が要因で凍死など事故につながるリスクを警戒しているのでは」と話した。

◇１２日の大手電力管内の最大使用率（午後８時まで）
北海道　９５％
東　北　９７％
東　京　９１％
北　陸　９４％
中　部　９５％
関　西　９９％
中　国　９６％
四　国　９８％
九　州　９５％
沖　縄　７１％

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