令和7年3月2日
急傾斜地の草刈り回数半減 伸び始めに除草剤一発 香川県
日本農業新聞記事
香川県園芸総合センターは、1回の除草剤散布でのり面など急傾斜地の春~秋の草刈り回数を2回に抑えることに成功した。
除草剤なしの場合は5~11月にかけて4回の草刈りが必要だが、
除草剤を適切な時期に1回散布することで草刈りを2回に減らすことができる。
夏場の草刈りが不要になり、熱中症のリスクを軽減できる。
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試験は2023年に実施。
5月初めに草を刈った後、非選択性除草剤を(1)5月中旬(2)5月下旬(3)6月中旬
のいずれかにまき、11月までに草刈りが何回必要か調べた。
草刈りは雑草が高さ50センチまで伸びた時期に行った。
最も草刈り回数を減らせたのは、(3)の6月中旬に除草剤をまく場合。
草刈りは5月初めと9月中旬の2回で済んだ。
(1)(2)は、5月初め、夏、秋と3回の草刈りが必要だった。
同センターの藤田究研究員は、除草剤散布や草刈りの時期は「雑草の生育に応じて見極める必要がある」とし、
実験結果から二つのポイントを示す。
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一つ目は、最初の草刈りを、春に開花する雑草(冬雑草)の生育盛期に行うこと。
冬場は地面をはうように生息する冬雑草が急激に伸びる4月下旬~5月初めに刈ることで、
その後の成長を抑えられるという。
試験では50センチまで成長した5月初めに草刈りをした。
二つ目は、夏に開花する雑草(夏雑草)が伸び始めた時期に除草剤をまくこと。
夏雑草は6月ごろから目につくようになり、7、8月に旺盛に伸びる。
夏雑草が目につかないうちに除草剤をまくと、夏場に草刈りが必要になるので注意が必要だ。
この時、多年生雑草が大きくなり過ぎていないことも重要だという。
春から秋にかけてゆっくりと伸びる多年生雑草は、大きくなり過ぎると茎が太くなり、
除草剤が効きにくくなる。
試験では、夏雑草が10センチ程度、多年生雑草が40~50センチ程度に伸びた6月半ばに除草剤をまいた。
除草剤は、急傾斜地の地崩れを防ぐため、根まで枯らさずに雑草全般に効果のあるザクサ剤を使った。
平地では根まで枯らすグリホサート剤も高い効果を見込める。