昨日に続き、不明熱の記事を転載してみます。
~以下、3月20日読売新聞朝刊より抜粋~
医療ルネサンス
不明熱
中国地方の女性(47)が熱に気付いたのは2007年秋。インフルエンザの予防接種を受けようと体温を測ったら、38度近くあった。別の日にジュシンシテモ熱は高い。4年に及ぶ、心因性の不明熱の始まりだった。
最初は熱以外の症状はなく、気にせずに働き続けた。近くの病院を受診しても体に異常は見つからず、首をかしげられた。大きな病院では「自律神経失調症のようなもの」と漢方薬を出されたが治らなかった。
09年春、ストレスの多い職場から転勤。気分が変われば治ると思ったが、熱に加え、体もだるくなった。休むよう勧められたが、迷惑はかけたくなかった。
1年間、こんな調子で、大きな仕事が入ると熱が上がった。翌年春、上司の説得で、休職を決意した。
だが、家でも考えるのは、復職のことばかり。医師の勧めで抗うつ薬を飲んだが熱は下がらない。10年秋、九州大病院(福岡市東区)心療内科が「心因性発熱」の治療をしていることをインターネットで知った。
心に原因 脳を休め回復
「脳を安めなければ、この病気は治りません。休職しても仕事のことばかり考えていては、脳は休まりませんよ」。準教授の岡孝和さんの話を聞き、はっとした。11年2月、脳の休め方を学ぶため、4週間の教育入院をすることにした。携帯電話やパソコン、面会は禁止。読書も1日2回、1回30分まで。食事は香りや味を味わうようにし、散歩は景色に目を向ける。
何もしていない時でも、仕事や自分の欠点などあれこれ考えることは、誰にでもある。岡さんは、停車中の車でもエンジンがかかっている状態に例えて「脳のアイドリング」と呼び、やめるよう指導した。
週2回、医師と面談。話すうちに、前の職場でつらい上司と一緒になり、気持ちを押し殺して働いてきたことに気が付いた。ある日の面談後、涙があふれ、ゆったりした気持ちになった時、36度台に下がり、一筋の希望が見えてきた。
退院して5か月後くらいから、平熱の日が増えた。通院で岡さんの話を聞き、疲れたら早めに休むコツも身につけた。4月からの職場復帰に向け準備中だ。
岡さんによると、慢性的な心因性発熱は、まじめでストレスに気付かず、忙しくないと不安や罪悪感を抱える人に起きやすい。患者の中には、いじめや事故などのトラウマ(心の傷)を抱え、それを振り切ろうと頑張ることが原因と考えられる人も多いという。
この女性は入院したが、通院治療で回復する人もいる。「熱は、それまでの生活に無理があることを物語る体からのメッセージ。体の声に耳を傾け、ゆったり生きる方法を学ぶことが大切」と、岡さんは話す。
これは、現代病なのだろうなと思う・・・日常においても、ゆったりとした時間が持てないような気がする
自分自身でも・・・最近、心にユトリがないのが解る・・・何も考えない時間・・・やはり必要なのだろうな・・・
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