みなさま、こんにちは(*^_^*)
今日はいいお天気です。
昨日は1日雨でねむねむのネルです。
お外に出たいというので、傘をさしかけて出しました。
先月末より体調をくずしてしまい、
家にこもっています。
体が熱っぽくて・・。
お医者さんに行こうと診察カードを見たら、
昨年も一昨年も6月に体調を
崩していたことが分かりました。
6月は疲れがでる月なのかもしれません。
だいぶ回復してきて、
目に着くのが「積ん読」本です。
古いものは何と2012年のものからあります。
ちょうど信綱研究を始め、家族が病み、亡くなり
病院通いの合い間を縫ってフランス旅行をしたり、
猛烈に忙しくなった頃からのものです。
とりあえず、新しいものから
本の山を崩すことにしました。
大当たりです。
渡辺美智子さんの第3歌集『老鶯のソロ』
笑ったり泣いたりしながら、楽しみました。
渡辺さんは大分県臼杵市にお住まいで、
日常の小さな場面を軽く明るく読まれることを
心がけていらっしゃると後書きに書かれています。
その心がけはみごとに結実しているように思われます。
タイトルにもなっている老鶯の歌。
・おお何と鮮やかな老鶯のソロあんずの茂みがかすかに動いた
老鶯とは夏の鶯のこと。練習を重ねて巧く歌うことができるのですね。
口語の軽やかさが鳥の囀りに相応しく、
また結句「かすかに動いた」が巧みです。
お宅に咲く白いさるすべりの一連は素敵です。
・さるすべりの揺るる真下に佇めばああずぶ濡れのわが娘時代
・姉より と終りにちさく書きたくて白さるすべりの絵はがきを出す
・カーディガン姿でいつもイーゼルの前に居るひと夫で老人
私にもずぶ濡れの娘時代がありました。
こんなふうに明るく軽く突き放すことができないでいますけれど。
私にも妹がいます。姉より、と書いたことはないのです。
3首目「夫で老人」が巧い。
下の二首には笑いました。認識不足でした。
・男だからうんと心が広かろうなどと思ふは認識不足
・ピリオドを打つか打たぬか?どこに打つ女は男より的確に打つ
着物の歌もすごくいいと思いました。
・畳紙をひらけばやさし雪輪紋別れの刻に着よといふのか
・半襟の白胸元に突き合はせ母と別るるかなしさに耐ふ
・バランスの崩れしわれを巻き締むる黒薔薇紋の絽綴れの帯
・メダカ模様の夏帯締めてゆく会議水切瓦の白き図書館
何気ない町の様子に惹かれます。
臼杵に陳元明という漆喰職人がいたことも初めて知りました。
風切瓦、水切瓦の言葉が新鮮です。
・体操服つらなる朝の通学路南部風鈴鳴りわたるなり
・白壁の迷路の先の風切瓦かどを曲がれば水切瓦
・うつくしき水切瓦の図書館にて古文書三行解読したり
自然とのかかわり深く生きてらっしやるのです。
・朝露を砕きて載せてチカラシバさはつと揺れて銀の原っぱ
・五風十雨のなかの一風いただきて北海道産の馬鈴薯を植う
・青鷺に見守られつつ伝統の泳法まなぶ葦辺の小鴨
私も父を十年ほど前に亡くしました。
思いだしてたくさん泣きました。
・お父さん子 ひとり娘の役終へて老女しづかに眼鏡を拭ふ
・肩書きを消しし名刺と娘の写真のみの古りたる名刺入れ遺し
・古里の空を隈無く語りくれ貧を寂しく語りくれし父
猫の連作があり、うれしく読みました。
畑で生まれた野良の子猫をいつくしむ気持ちがうれしいです。
・土まみれの軍手のうへにほこほことねむる子猫は胡瓜のにほひ
いい歌集と出会うことができました。
ありがとうございます。
今日はいいお天気です。
昨日は1日雨でねむねむのネルです。
お外に出たいというので、傘をさしかけて出しました。
先月末より体調をくずしてしまい、
家にこもっています。
体が熱っぽくて・・。
お医者さんに行こうと診察カードを見たら、
昨年も一昨年も6月に体調を
崩していたことが分かりました。
6月は疲れがでる月なのかもしれません。
だいぶ回復してきて、
目に着くのが「積ん読」本です。
古いものは何と2012年のものからあります。
ちょうど信綱研究を始め、家族が病み、亡くなり
病院通いの合い間を縫ってフランス旅行をしたり、
猛烈に忙しくなった頃からのものです。
とりあえず、新しいものから
本の山を崩すことにしました。
大当たりです。
渡辺美智子さんの第3歌集『老鶯のソロ』
笑ったり泣いたりしながら、楽しみました。
渡辺さんは大分県臼杵市にお住まいで、
日常の小さな場面を軽く明るく読まれることを
心がけていらっしゃると後書きに書かれています。
その心がけはみごとに結実しているように思われます。
タイトルにもなっている老鶯の歌。
・おお何と鮮やかな老鶯のソロあんずの茂みがかすかに動いた
老鶯とは夏の鶯のこと。練習を重ねて巧く歌うことができるのですね。
口語の軽やかさが鳥の囀りに相応しく、
また結句「かすかに動いた」が巧みです。
お宅に咲く白いさるすべりの一連は素敵です。
・さるすべりの揺るる真下に佇めばああずぶ濡れのわが娘時代
・姉より と終りにちさく書きたくて白さるすべりの絵はがきを出す
・カーディガン姿でいつもイーゼルの前に居るひと夫で老人
私にもずぶ濡れの娘時代がありました。
こんなふうに明るく軽く突き放すことができないでいますけれど。
私にも妹がいます。姉より、と書いたことはないのです。
3首目「夫で老人」が巧い。
下の二首には笑いました。認識不足でした。
・男だからうんと心が広かろうなどと思ふは認識不足
・ピリオドを打つか打たぬか?どこに打つ女は男より的確に打つ
着物の歌もすごくいいと思いました。
・畳紙をひらけばやさし雪輪紋別れの刻に着よといふのか
・半襟の白胸元に突き合はせ母と別るるかなしさに耐ふ
・バランスの崩れしわれを巻き締むる黒薔薇紋の絽綴れの帯
・メダカ模様の夏帯締めてゆく会議水切瓦の白き図書館
何気ない町の様子に惹かれます。
臼杵に陳元明という漆喰職人がいたことも初めて知りました。
風切瓦、水切瓦の言葉が新鮮です。
・体操服つらなる朝の通学路南部風鈴鳴りわたるなり
・白壁の迷路の先の風切瓦かどを曲がれば水切瓦
・うつくしき水切瓦の図書館にて古文書三行解読したり
自然とのかかわり深く生きてらっしやるのです。
・朝露を砕きて載せてチカラシバさはつと揺れて銀の原っぱ
・五風十雨のなかの一風いただきて北海道産の馬鈴薯を植う
・青鷺に見守られつつ伝統の泳法まなぶ葦辺の小鴨
私も父を十年ほど前に亡くしました。
思いだしてたくさん泣きました。
・お父さん子 ひとり娘の役終へて老女しづかに眼鏡を拭ふ
・肩書きを消しし名刺と娘の写真のみの古りたる名刺入れ遺し
・古里の空を隈無く語りくれ貧を寂しく語りくれし父
猫の連作があり、うれしく読みました。
畑で生まれた野良の子猫をいつくしむ気持ちがうれしいです。
・土まみれの軍手のうへにほこほことねむる子猫は胡瓜のにほひ
いい歌集と出会うことができました。
ありがとうございます。