ノイバラ山荘

花・猫・短歌・美術な日日

渡辺美智子歌集『老鶯のソロ』

2014-07-06 12:04:33 | 短歌
みなさま、こんにちは(*^_^*)


今日はいいお天気です。
昨日は1日雨でねむねむのネルです。


お外に出たいというので、傘をさしかけて出しました。


先月末より体調をくずしてしまい、
家にこもっています。


体が熱っぽくて・・。
お医者さんに行こうと診察カードを見たら、
昨年も一昨年も6月に体調を
崩していたことが分かりました。


6月は疲れがでる月なのかもしれません。


だいぶ回復してきて、
目に着くのが「積ん読」本です。
古いものは何と2012年のものからあります。
ちょうど信綱研究を始め、家族が病み、亡くなり
病院通いの合い間を縫ってフランス旅行をしたり、
猛烈に忙しくなった頃からのものです。


とりあえず、新しいものから
本の山を崩すことにしました。

大当たりです。


渡辺美智子さんの第3歌集『老鶯のソロ』
笑ったり泣いたりしながら、楽しみました。

渡辺さんは大分県臼杵市にお住まいで、
日常の小さな場面を軽く明るく読まれることを
心がけていらっしゃると後書きに書かれています。
その心がけはみごとに結実しているように思われます。

タイトルにもなっている老鶯の歌。

・おお何と鮮やかな老鶯のソロあんずの茂みがかすかに動いた 

老鶯とは夏の鶯のこと。練習を重ねて巧く歌うことができるのですね。
口語の軽やかさが鳥の囀りに相応しく、
また結句「かすかに動いた」が巧みです。

お宅に咲く白いさるすべりの一連は素敵です。

・さるすべりの揺るる真下に佇めばああずぶ濡れのわが娘時代     
・姉より と終りにちさく書きたくて白さるすべりの絵はがきを出す
・カーディガン姿でいつもイーゼルの前に居るひと夫で老人

私にもずぶ濡れの娘時代がありました。
こんなふうに明るく軽く突き放すことができないでいますけれど。
私にも妹がいます。姉より、と書いたことはないのです。
3首目「夫で老人」が巧い。

下の二首には笑いました。認識不足でした。

・男だからうんと心が広かろうなどと思ふは認識不足
・ピリオドを打つか打たぬか?どこに打つ女は男より的確に打つ

着物の歌もすごくいいと思いました。

・畳紙をひらけばやさし雪輪紋別れの刻に着よといふのか
・半襟の白胸元に突き合はせ母と別るるかなしさに耐ふ
・バランスの崩れしわれを巻き締むる黒薔薇紋の絽綴れの帯
・メダカ模様の夏帯締めてゆく会議水切瓦の白き図書館

何気ない町の様子に惹かれます。
臼杵に陳元明という漆喰職人がいたことも初めて知りました。
風切瓦、水切瓦の言葉が新鮮です。

・体操服つらなる朝の通学路南部風鈴鳴りわたるなり
・白壁の迷路の先の風切瓦かどを曲がれば水切瓦
・うつくしき水切瓦の図書館にて古文書三行解読したり       

自然とのかかわり深く生きてらっしやるのです。

・朝露を砕きて載せてチカラシバさはつと揺れて銀の原っぱ    
・五風十雨のなかの一風いただきて北海道産の馬鈴薯を植う
・青鷺に見守られつつ伝統の泳法まなぶ葦辺の小鴨        

私も父を十年ほど前に亡くしました。
思いだしてたくさん泣きました。

・お父さん子 ひとり娘の役終へて老女しづかに眼鏡を拭ふ      
・肩書きを消しし名刺と娘の写真のみの古りたる名刺入れ遺し    
・古里の空を隈無く語りくれ貧を寂しく語りくれし父           

猫の連作があり、うれしく読みました。
畑で生まれた野良の子猫をいつくしむ気持ちがうれしいです。
    
・土まみれの軍手のうへにほこほことねむる子猫は胡瓜のにほひ 

いい歌集と出会うことができました。  
ありがとうございます。

あこがれています----マデイラ島

2014-07-04 10:50:06 | 
「世界で一番美しい瞬間(とき)」
という番組が気に入っています。

昨日はポルトガルマデイラ島の特集でした。

マデイラ諸島をご存じですか?
マデイラは大西洋に浮かぶ島々で、
どちらかというと、アフリカ大陸のモロッコに近いです。

マデイラ島は一番大きな島で、
椰子がしげり、ジャカランダ、ハイビスカス、
極楽鳥花など熱帯の花々が咲き乱れています。

十五世紀、ちょうど大航海時代が始まるころから
ポルトガル人が開拓して、斜面しかない島に
段々畑を作って住みついたのだそうです。


五月には「花まつり」があり、
少女たちが花をモチーフにした
きれいな衣装で踊るのです。

少女たちは小さな時から
毎年このお祭りで踊ることを楽しみに
また、家族たちも毎年違ったドレスを用意して、
少女たちの成長を楽しみにしています。

ポルトガルはまだ行ったことがありませんが、
マデイラにも行ってみたいです。

あこがれ、という言葉、
すごく素敵ですよね。

「あこがれています」っていう言葉を見たときに、
涙がでそうになりました。

いいなぁ。
マデイラは今の私のあこがれです。

来週再放送もありますので、是非どうぞ❤

===================================


独特の作り方をする
マデイラ・ワインはおいしいらしい。
飲んでみたいですにゃ❤

===================================


二つの展覧会----山種美術館と「デュフィ展」@Bunkamuraミュージアム

2014-07-01 18:21:44 | 美術
みなさま、こんばんは(*^_^*)

午後さっと降って、
また青空がひろがってきました。


山種美術館「クールな男とおしゃれな女」


雨の中、ひさしぶりの美術展です。
チケットをいただいたので
行ってまいりました。


池田輝方「夕立」。
これは屏風の右雙ですが、左雙との
構図のバランスが素晴らしいと思いました。


守屋多々志「慶長使節支倉常長」
遠景と近景の色彩の使い分けがモダンです。
常長の袖の青がおしゃれなんですね。

全体的に着物や武具にポイントをしぼって
解説してあるのですが、
ファッションに疎いノイバラには、
今ひとつぴんと来ませんでした。

着物に造詣の深い方がご覧になると
また違った楽しみ方ができるのかもしれません。



もうひとつの展覧会は
渋谷Bunkamuraミュージアム「デュフィ展」

Bunkamuraは何回かがっかりさせられた覚えがあるので、
どうかな~と疑いながら行ったのですが、
デュフィは素晴らしかったです。


「ニースの窓辺」
青が素晴らしいのです。

「ヴェネネツィアのサンマルコ広場」「シーツの上の裸婦」
「ゲルマ袋小路のアトリエ」など、青が効果的に使われていて、
大好きな作品です。


音楽が聞こえてくるようなと形容されますが、
音楽に疎いノイバラには、1枚を除いて
聞えてきませんでした(´;ω;`)


唯一聞えたと思った「オーケストラ」。


バッハは赤。


ドビュッシーは黄緑。

これらの色を選んだのはわかるような気がします。
ご家族に音楽家が多かったのですね。


テキスタイルデザインと
ドレスのデザインが面白かったです。

ファッションデザインまでやってしまうとは、
なんて器用な方なんでしょう。

ぴんときて生年月日を見てみたら
1877年6月3日。
ノイバラも双子座ですが、
デュフィも双子座。
同族の匂いがすると思いました~。

横道にそれましたが・・(・ω・;A


陶芸の作品も出品されていて、
これもおもしろかった。
左の方に壺が4つならんでいます。

近所に住んでいた陶芸家が形を作り、
デュフィは絵付けをしたのですが、
掻き落としの技法を使って、
現代的な仕上がりとなっています。

庭のジオラマのような作品もあり、
こちらは造形から行ったようです。


晩年の花の水彩は軽妙で楽しかったです。


大好きなレストラン「ドゥ・マゴ・パリ」でランチにします。

座っているだけでパリの気分になれるのです。


本日のパスタランチはチケットの半券を見せると
ワンドリンクサービス。


ズッキーニのパスタに紅茶を楽しみました。
パスタもポットでサービスされる紅茶も、
感動的においしいのです。

体の芯からむくむくと
力がわいてくるようなおいしさです。