猫のののちゃんち

横浜の癒し系猫ののちゃんや、いろんな動物いっぱい…♪

最期のまたたび

2012-10-02 | 
今回は、10/1に動物病院であったことをつづります。



 明らかに空気が違っていた。
 いつもにこやかな先生が、きょうは重い表情だ。

 すぐに分かった。  安楽死が行われるのだ。




 横浜にある、ちょっと大きい動物病院。
 いつも獣医が4~5人いる。




 注射中のののちゃんは、生をつなぐための治療だが、隣の処置室では、いのちを閉じるための準備が進んでいる。

 院長が、待合室の老夫婦に小声で話しかけている。
 「ちょっと込んで来たので、
      夜7時に閉院したらに…、 しましょうか…」




 茶色の両手足に白くつしたをはいた、かわいい女の子…。
 数日前、待合室でお会いし、
持っていたマタタビの実を差し上げた方の猫だ。
 頭から首にかけたがんが、2回の手術虚しく再発してしまった。
 コブ状の腫瘍からは血がにじみ、化膿してちょっと臭う。
 同時に、脳も圧迫して眼も見えない。フードも食べなくなった。




 70歳前後のご婦人が話す…。
「捨て猫を見かねて拾った。 13年間大事に育てた。
いろんな芸もしてくれて、それは楽しかった…。
この子がいなくなったら、どうしてよいやら…」

 この日も、持っていたマタタビの実を、ひとつ差し上げた。
「どこで売っているの…?」「いくらくらいするの…?」と、いろいろ聞かれたが、明らかに辛さを紛らわせるためとわかった。
 だから、キウイとの違いだとか、焼酎漬けの方法などを話した。
 残された10分間、猫はマタタビを嗅いでいた。




 横浜の戸塚には、動物専用の市の斎場があるのだが、まだ暖かく生きている猫なのに、その火葬を予約するのはとても辛かったという。

 院長の声がかかった。
 ご夫婦は深々と頭を下げ、「ののちゃんを長生きさせてあげてね」って言ってから待合室を発った。
 私は、言葉が見つからないまま頭を下げて、病院を後にした。


 帰ってから、ののちゃんをギュッと抱きしめた。




9月30日 朝 fork →サケ水煮    夕 fork →イナダ水煮
10月 1日 朝 fork →トビウオ水煮  夕 fork →ワラサ水煮
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