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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

日本代表サッカー 過渡期の苦しみ

2013-08-20 12:04:00 | スポーツ

多分、苛立たしい想いを抱いた方は少なくなかったのではないかと思う。

先週行われたウルグアイとの日本代表の親善試合は、2―4の惨敗であった。これは若手の登用目的の東アジア大会を除けば、コンフェデ以来の失点続きの流れを見事に引き継ぐものであり、失望を感じるのも当然だと思う。

南ア大会よりもレベルが落ちた、チームの実力は低下したとの非難報道が出るのも必然だ。なにより守備の崩壊といって良いほどの失態である。指揮官であるザッケローニ批判が出るのも致し方ないのだろう。

だが私は、それほど悲観してはいない。

南ア大会でベスト16に入れたのは徹底的に守備を固めたからだ。いわば弱者の最上の戦法で勝ち上がったに過ぎない。この方法は、2002年のギシリャがユーロで準優勝をしたように、今も昔もそれほど強くないチームには最適の戦法である。

しかし、この守り勝ちの戦法はベストではない。負けないためのサッカーであり、美しくも楽しくもない無様なサッカーである。

だからこそ、その上のレベルを目指す。幸いにしてそのためのタレントなら、今の日本代表には十分とは云えないまでも、かなりのレベルで揃っている。本田、香川、岡崎のスリートップの攻撃力は、世界の一流レベルにもある程度通用することは、コンフェデでも今回のウルグアイ戦でも分かっている。

ただ、この攻撃が活きるためには、日本のストロング・ポイントである中盤を攻撃に傾けねばならない。すると必然的に守備が弱くなる。アジア・レベルならば、なんとか通用した守備も、中盤の守備が薄くなるとヨーロッパや南米の強豪には通用しない。

その現実が今、日本サッカーに突きつけられているのだ。徹底的に守るならば今のチームでもベスト16は十分狙える。しかし、パスをつないでゴールを目指す日本らしいサッカーで上を目指すなら、攻撃と守備の双方のレベルアップが求められる。そして、今の日本代表にそれだけの実力はない。

私の考えでは、この問題の解決は長く時間がかかる。喩えとして適切かどうか疑問だが、偏差値で云えば60までなら誰でも適切な教育とやる気があれば到達する。しかし、偏差値70以上となると単なる努力では追いつかない。才能プラス努力の積み重ねが必要となる。

日本は強くなったといっても、偏差値でいえば60台前半だろう。ちょっと選手の質を落とすと、たちまち50台に落ちる。それが今の日本の現実だ。

これは日本だけの問題ではない。かつて世界を席巻したナイジェリアやエチオピアらアフリカ勢もそうだし、ベスト4までいったトルコや韓国も同様に苦労している。むしろ偏差値70以上を常時維持しているブラジルやアルゼンチン、ドイツが例外なのだ。

日本が出来る解決法は、まず国内リーグの更なる強化だ。そして常時、ヨーロッパのチームに選手を売れるくらいに国内の選手の強化を図ること。この方法が時間はかかるが、一番理想的な手段となる。もはや優秀な外国人を日本に帰化させたり、代表監督に一任するだけで解決するレベルではないのだ。

まず第一に今すぐ実行して欲しいことは、助っ人外国人のレベルアップだ。これは急務である。JリーグのチームがACL(アジア・チャンピオンズ・リーグ)で苦労している最大の原因は、助っ人外国人の質の低下だ。

今や中東勢の方が圧涛Iに質の高い助っ人外国人を抱えているのは事実であり、悔しいことにその多くは元Jリーガーなのだ。日本で活躍した助っ人外国人が、中東の金満チームに買い取られている。これでは勝てなくても不思議はない。

実のところ、Jリーグの質は高い。チーム運営やスタジアム、下部チーム、選手寮や福利厚生面などの環境面でも評価は高い。東アジア選手権での優勝をみても分かるように、国内の選手だけでもアジアのトップになれる実力は育っている。

しかし、それ以上の結果を望むなら現状に満足していてはダメだ。よりレベルの高い外国人助っ人選手を招聘して、今以上の実力を育成しなければ日本代表は強くなれない。繰り返しますが、日本サッカーの強化の基本は、まず国内リーグであるJリーグの強化なのです。

ミスを重ねた吉田や、監督であるザッケローニの問題ではない。問題を個人に転嫁して解決することではないのです。長い目でみて、何をすべきかを考える時期に入ったと理解するべきでしょう。

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