ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

BEASTARS 板垣巴留

2017-08-03 10:49:00 | 

2016年の大ヒット映画である「ズートピア」の監督を始めとした製作者に読ませたい漫画がこれ。

断言するが、この漫画のアニメ化はディズニーには不可能だろう。そのくらい衝撃的である。この漫画を読むと、名作「ズートピア」が如何に子供向けに配慮された作品であるかが良く分かる。

そして、週刊少年チャンピオン誌に連載されている表題の漫画が、如何に現実にシビアに対峙しているかが分かる。「ズートピア」は大人も楽しめるアニメだが、この作品は大人も悩んでしまう問題作だ。

日本の漫画の進展が、アメリカのそれとは大きく異なることを確認できる作品である。それは「ズートピア」を卑下している訳ではなく、むしろ方向性と深度の違いだと主張したい。

主人公のレゴシはハイイロオオカミの学生だ。肉食獣と草食動物が共存する社会にあって、悩み多き思春期を過ごす。その最大の悩みは、片思いのドワーフウサギのハナへの想いだ。その気持ちが肉食獣としての本能なのか、それとも純粋な恋情なのか、当人にも分からない。

友人のアルカパが校内で食い殺された時、第一に疑われてしまったが、その一因に疑われやすいレゴシの性格がある。それでも、分かる人には共感される誠実さを持ち合わせている。

少年向けの漫画誌に連載されているとは思えないほど、深刻に壮絶な肉食獣と、草食動物の軋轢。でも読者である子供たちは気が付いているようだ。それが大人たちの世界でり、大人たちが隠そうとしている世間のもう一つの真実であることを。

決してPTA推奨漫画になることはないと思う。でも「ズートピア」に感銘を受けたのなら、是非この漫画も読んで欲しい。この漫画が密かに子供たちに支持されている現実に衝撃を受けると思いますよ。

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今月は

2017-08-03 10:47:00 | 日記

今年も土日休日に加えて、水曜日は夏休みとさせて頂きます。

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