もっと注目されて然るべきニュースだと思う。
先週のことだが、フランスやイギリスの自動車メーカーが凄い発表をやらかした。なんと2040年までにすべてのガソリン車、ディーゼルエンジン車を廃して、電気自動車へ転換を図るという。
温暖化などの環境問題への対応だと解説がついていたけど、本当にそうなのか?
やはり、これは原油の枯渇問題が根底にあるように思えてならない。もっとも確証がある訳ではない。なにせ、原油の埋蔵量と云う奴は、ブラックボックスというか、その数値がまったく当てにならない。
地下深くにある原油だけに、その埋蔵量を正確に推測するのは困難なのは分かる。また採掘技術の進歩により、従来採取できなかった原油が取れるようになったりしているのも分かる。
しかしながら、毎年発表される原油の埋蔵量は変わるし、しかもその増減は専門の研究者ですらその正確性には疑問を呈している有様である。これは原油が単なる商品ではなく、政治的あるいは軍事的な価値さえ持つ戦略的物資であることも事態をややこしくさせる一因である。
だが、分かっていることもある。現在、原油採掘抗を掘るだけで、自然圧力により噴出するような豊かな原油採掘場はない。未採掘(アメリカやロシアは持っている)の原油を別にすれば、現在稼働している採掘場は、全て海水注入など技術的な努力により原油を採取している。
おそらく、このままでは21世紀中に原油は枯渇する。そう云われて久しいのだが、不思議なくらい原油の枯渇を予測するかのような報道はされていない。妙な話だが、1970年代の石油危機の時のほうが、よほど危機感があった。
私はある種の報道規制もしくは情報統制があるのではないかと疑っている。正直不自然すぎるのだ。
現代文明は、石油を活用することで成立している。単に自動車のエンジンを動かすだけでなく、電気を生み出し、化学繊維製品を生み出し、化学肥料さえ作り出す汎用性の高い原材料が原油である。
原油の枯渇は、世界規模での大混乱をもたらしかねない事は、誰にでも容易に想像がつくと思う。その原油の4割近くを費消する自動車産業が、脱ガソリンエンジンを打ち出してきているのである。
もっと深刻な危機感を抱いてもおかしくないビックニュースではないだろうか。これを単なる経済ニュースとして扱って済ませているマスコミが大半であることに、私はどうも違和感を禁じ得ません。