ヌマンタの書斎

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プロレスってさ 真壁刀義

2021-08-05 16:04:00 | スポーツ

私は子供の頃から、割と大学に遊びに行くことが多かった。

多くの場合、学内の林や原っぱでの虫取りなのだが、私が所属していたキリスト教の団体のメンバーがいる大学だと、学園祭に行ったりすることが増えた。

その学園祭で見つけたイベントが学生プロレスであった。大学内のプロレス同好会などが主宰してのイベントであった。元々プロレス好きであり、プロレスごっこも大好きな子供だったので、興味津々で会場に行ってみた。

正直に云えばガッカリした。いちおう鍛えてはいるのだろうけど、私がこれまでに見てきたプロレスラーとはけた違いに貧弱な身体に思えた。また試合で使われる技の攻防も、軽いものが多くて迫力に欠けた。

やはり本物と学生の遊びでは大違いだと、それなりに納得していた。

でも、そんな気軽な気持ちになれなかったのは、本職のプロレスラーたちである。1990年代のことだが、新日本プロレスの獣神サンダーライガー選手の提唱で、日本中からインディーズ(独立団体)プロレスのジュニアヘビー級のレスラーが集って、ナンバーワンを決めようとのイベントが開催された。

インディーズ団体には、新日や全日の入団テストに合格できなかた者や、学生プロレス出身者が数多くいた。彼らにとってはメジャー団体である新日本のマットに上がれるということで、意気揚々とやってきた。

しかし、迎え撃つ側の新日本のプロレスラーは殺気立っていた。当時、現場を仕切っていた長州力は、アマレス韓国代表歴があり、バリバリの武闘派ゆえに学生プロレスを嫌悪していた。

当然に新日の若手も、「いざ、ライガー打倒」などと粋っているインディーズの選手たちをみて、まずは俺らの相手をしろやと殺気立っていた。けっこう凄い試合というか、いじめに近い試合もあったらしい。

だが、本物も居た。東北プロレスのハヤブサ選手は、その才能を認められ実力派としてメジャーデビューに至る。でも、それは例外で、多くのインディーズ・レスラーたちは、実力差を思い知らされてしまった。

そんな学生プロレス出身でありながら、後に新日本プロレスの大看板であるIWGPのベルトを締めた猛者がいる。それが真壁刀義である。

真壁が入門した時の道場の責任者は、あの佐々木健介である。彼もまた学生プロレス嫌いであり、シゴキというよりもイジメのような扱いを受けた。真壁は幾度となく心が折れそうになったという。

そんな時、既に解説者となっていた山本小鉄が真壁に声を掛けてきた。「道場でのシゴキは辛いだろう。でも、もっと強くなればイジメはなくなる。強くなるんだ、お前には才能があるんだぞ」。

その一言を心に刻んで真壁選手はシゴキに耐え、イジメられなくなるほどに強くなった。そして経験を積んで更に強く、上手くなって、遂には新日本プロレスを背負って立つIWGP王者のベルトを締めるに至る。

幾つもの団体で活躍しているが、けっこう言い過ぎ、やり過ぎが多く、付いたあだ名が暴走キングコングである。ちなみにTV出演も多く、お菓子の紹介コーナーを任されたこともあり、スイーツ真壁の異名もある。TVドラマや映画にも出演歴があり、けっこう器用な御仁だ。

ちなみに真壁選手、その怖そうな面構えとは裏腹に、なかなかの語り上手。ユーチューブに番組を持ち、興味深い話を披露してくれている。道場での練習の仕方や、先輩レスラーとの会話も楽しい。機会があったら是非、ご視聴下さいな。

コメント
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