日本の歴史教育には問題が多い。
いや、多過ぎると言っても過言ではない。特に近現代史に問題が多い。中学でも高校でも、日本史の授業は古代から始まり、中世、近世と進み明治維新から太平洋戦争敗戦で三学期の終わりとなり、現代史には触れない。
その原因は、左翼史観に囚われた日教組の教師であり、彼らとのトラブルを厭う担当教師である。それを是正できない文部省にも問題はあるが、事なかれ主義が横行する役所にあっては政治の後押しがないと無理だ。
70年代までは左派の政党が4割近くを占め、しかも自民党内ですら左派思想に近い政治家が少なくなかったので、政治主導による是正は難しかった。それは分かる、分るけど放置していて良い問題ではないと思う。
一例を挙げれば、日本の帝国主義的侵略の象徴たる満州国がある。
たしかに日本陸軍が裏で暗躍した傀儡国家的性格の強い満州国だが、決してそれだけではない。辛亥革命により滅ぼされた満州族からすれば、日本の力を借りての再興であり、それゆえに満州族は協力した。
そして当時、各地に独立政権が乱立して混乱を極めたシナにおいて、法秩序が確立して力なき庶民が安心して暮らせる数少ない安寧の地が満州国であったのも歴史的事実である。
日本の侵略を認めたリットン調査団でさえ、その活動拠点は満州国内であり、他の地は治安が劣悪で暮らせないことは知っていた。ただ、当時の国際連盟の立場上、侵略だと認めざる得なかっただけで、批難する以上の行動はとっていない。
それに過剰に反応した当時の日本政府、とりわけ外務省のスタンドプレーが日本を孤立に追いやった。欧米並みに侵略を堂々と正当化するだけの厚かましさが欠如していたのが、日本の最大の失敗だろう。
決して単純に侵略だけが、満州国の実相ではない。当時の日本では、満州国建国はむしろ良かれと思っていた人々が多数であったことぐらい、歴史教科書は記載するべきだろう。
日本の歴史教科書は、あくまで日本のためである。シナやコリアを満足させるための教科書ではない。ましてや彼らが自分たちに都合が良い様に捏造した歴史観を受け入れる必要は全くない。
表題の書は、台湾人の著者によるものであり、必ずしも日本の為ではない。ただ、日本があまりに捏造された偽歴史に安易に騙されていることへの義憤を込めて書かれたものだ。
特に中華民国の建国の祖とされる孫文に対する辛辣な評は、日本人が是非とも知るべきだと思いますよ。