東京都のバカ野郎。
東京はお台場にある大江戸温泉物語という温泉施設が、今年9月初旬に閉鎖になると報道があった。なんでも定期借地権の期限切れだそうで、更地にして東京都に返還するための施設閉鎖だそうだ。
残念、実に残念でならない。私はこの都心の健康ランドに数十回通っている。オープンして間もない頃からの常連であっただけに、今回の閉鎖が悔しい。
仕事が長引き、帰宅が深夜になりそうだと、私はときおりこの施設に泊まっていた。深夜ならばタクシーで15分程度なので、酔客がうざい終電で帰宅するよりも楽だった。銀座界隈のビジネスホテルは味気ないし、シティホテルは高いだけで、楽しくない。
その点、この大江戸温泉物語は明け方まで、広場の飲食店が開いているし、広い浴場も満喫できる。運が良ければ個室もとることができる。満室ならば、大広間で雑魚寝であるが、開業して数年はまず間違いなく個室がとれた。
実際、開業して数年はあまり人気はなかったように思う。だからこそ、私はのんびりと楽しむことが出来た。だが、ここ数年はあまり使わなくなっていたのも事実だ。
理由は外国人観光客である。元々、和風テイストが売り物の温泉施設なだけに、時折外国人を見かけることはよくあった。ここは入場時に浴衣が貸与されるので、これを目当てにくる観光客もいたほどである。
ところが次第に口コミでシナ人が増えてきた。成田に着いて、バスで大挙してやってくる。彼らは雑魚寝が苦手らしく、ほぼ間違いなく個室を予約する。おかげで以前は気軽のとれた個室が、まったくとれなくなった。
またお台場で遊ぶ若い日本人も、ここを多用するようなっていた。はっきり言うが、こいつら外国人観光客よりもウルサイ。まぁ、始発の電車が動くまでの時間潰しでやってくるのだが、最初から酔っぱらってきる輩も多く、広場の飲食店で騒ぐ、騒ぐ。
おかげで、私は足が遠のいた。たまに昼間に行くと、凄い人出で入場制限していることもあり、古株の常連だった私はますます行き辛くなっていた。そんな矢先の施設閉鎖報道であった。
まあ、東京都の狙いは分かっている。本来、お台場の埋め立て地は、大規模な商業用地として莫大な税収を狙っていた。しかし、バブル崩壊により、その目論見は潰えた。大江戸温泉にしても、お台場の端っこの土地で、駅からも遠く、仕方なしに定期借地権契約で貸していたに過ぎない。
その東京都にとって、東京五輪はお台場再開発(とう名の税収増大計画)という絶好の機会であった。安い賃料で温泉施設なんかに活用するよりも、もっと税収が見込める相手に貸すか、売るかを見込んでいるはずだ。
・・・バカだねぇ。当初の目論見に拘り過ぎ。あの界隈の土地の空きっぷりをもう一度よく視察するべきだ。交通の便は悪いし、短期的なイベント会場にしか使われていない。
東京五輪も、お台場再開発の転機とは成りにくいと思う。っつうか、東京五輪を見込んだ商業施設の多くが撤退しているしね。夢をみるのは勝手だけど、夢から醒めたら冷徹な現実が待っていると思いますよ。