ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

愚民政策

2021-08-06 12:50:00 | 社会・政治・一般

失敗を認められないのが、日本政府の最大の弱点だと思う。

連日、新型コロナの新規感染者の報道が続いている。首都圏の自治体では、緊急事態宣言だと騒いでいる。

バカじゃなかろうか。

もう既に緊急事態宣言は、その効果を失している現実を何故に直視しない。元々、空気感染するウィルス性疾患を完全に封じることは不可能に近い。またウィルスはその特性を変化させることは、毎年のインフルエンザで重々承知のこと。

では何故にインフルエンザで緊急事態宣言は出されないのか。

答えは簡単で、治療法がある程度確立しているからだ。一方、今回の新型コロナ肺炎は未だ確立した治療法がない。それゆえ肺炎が重度化すると治療が困難になる。それゆえに医療機関は新型コロナを恐れる。

しかし、一年以上経って分かったこともある。まずワクチンは確実に新規感染者を減らしている。また感染しても初期段階で適切な治療を行えば、重篤化せずに治ることも分かってきた。

つまり、この段階で政府がやるべきことは緊急事態宣言とか国民の移動制限ではない。確実にワクチン接種を行うことであり、新規感染者への適切な初期対応である。

ワクチンに関しては、私は日本政府はよくやっていると思っている。しかし、ダメなのは新規患者への初期対応の拡充である。

インフルエンザ同様に、空気感染するウィルス性疾患は通常の医療機関では対応できない。他の患者と入り口を分けたり、空調装置や医院内部の診察対応を二分する必要がある。これには金がかかる。

また感染症患者の新規受け入れは、従来の他の患者たちから嫌がられる。この風評被害も馬鹿に出来ない。どうしたって、患者を安心させるための設備投資が必要となる。あと、大声では言えないが、看護師や医療事務員たちも内心嫌がるケースが多い。医療は医師一人では出来ない以上、彼らの協力も必要だ。

ぶっちゃけ、解決策はお金となる。もちろん医療従事者としての良心に訴えることも必要だが、対感染症手当のような給与の上乗せが一番効果がある。

ところがだ、この金のかかる施策に一番反対しているのは、他ならぬ厚生労働省である。それを後押ししているのが財務省である。ただでさえ赤字会計が続く健康保険会計を危機に曝したくないとの本音が透けて見える。

だから新型コロナ肺炎の治療にかかる保険点数は、通常の肺炎と同じだし、新型コロナ感染者受入のための設備投資への補助金など議論の題材としても挙げらえていない。

医師会が医療危機だと騒ぐのも、結局のところこれ以上、財政的な負担を独自で負担できないとの悲鳴であるのが実情だ。

では政府は何をやっている。

新聞等マスコミは報じていないが、財務省がこれ以上の臨時的な財政支出を嫌がっており、政府の補助なしで医療機関がこれまで以上の新型コロナ患者の受け入れに耐えきれない以上、感染者を抑制することしかないと思い込んでいる。

既に緊急事態宣言を出しても、新規感染者が増えている現状を無視し、昨年の成功にしがみ付いている。もう陳腐化し劣化した対応策である現実を直視できない。

野党やマスコミが政府を非難するのも当然だが、困ったことに方向違いの非難を繰り返す愚者ぶりである。

つまるところ、民主主義とはその国の民意を政治に反映させることなはずだが、その民意が如何に愚かであるかを示しているのが、今の日本の現状だと思います。

赤信号、みんなで渡れば、万事解決ってことなのでしょうかね。

コメント (2)
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