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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

手抜きの少子化対策

2023-09-13 12:21:25 | 社会・政治・一般

現在、日本が抱える重大な問題の一つが少子化である。

少子化対策こそ早急にやらねばならぬ重要課題なのだが、どうも政府のやることが頓珍漢で困る。っつうか予算ばら撒くしか思いつかない知性の貧困さに絶望さえ覚える。

いささか物騒なことを書くと、少子化と高学歴化は密接な関係がある。ITやハイテクなど高い知性を必要とする産業社会では、高学歴な人材が求められる。そして高学歴な男女は、たまに例外はあれども大半が独身で、晩婚の傾向が強い。その上、子供の教育に熱心であり、多額の資金を投じるせいか一人っ子が多い。

その一方、いわゆるヤンキー層というか、中卒、高卒あるいは中退の若者たちは、概ね早婚であり、しかも多産であることが珍しくない。これは統計数値からではなく、私の身の回りからみた実感なので、正直どこまで実態に近いかはあまり自信はない。でも、ほぼ事実に近いと確信している。

もちろん早婚、低学歴だからダメなんて言わない。私の大事な顧問先である零細事業者や中小企業の創業社長さんには、このタイプが多いのが実態だ。勉強は嫌いだが、仕事に関しては熱心であり、経営手腕も教わって覚えたのではなく先輩などを見て学んだ実戦派だ。メンタルの逞しさは高学歴な大企業の役員をはるかに上回る強者だ。

でもマスコミの報道などで知られる子供を放置する親、虐待する親たちには低学歴のデキ婚の問題ある社会人が多い。これはある程度統計的にも実証されているが、低学歴な親からは低学歴な子供が育つ。もちろんトンビが鷹を産むケースも稀にはある。でも私自身の見聞きした限りでも、概ね馬鹿は馬鹿を育ててしまうのが冷酷な現実だと思う。

しかも、このタイプの親に限って多産であることも珍しくない。少子化問題なんて同じ日本国内であっても別世界の話である。そして放置され、ろくに躾もされない問題児が跳梁跋扈しているのが、マスコミがあまり報道したがらない現実だ。

核家族化が進んだ現代の日本では、この手の放置された児童が親戚などに預けられるケースは稀であり、お役所まかせというか児童養護施設に押し付けられるのが定番だ。問題はこの養護施設で働く職員たちの専門能力に大きく開きがあることだ。

日本の役所の悪い癖で、様々な分野の経験を積ませて行政職員を育成しようとする。その結果、資格等をともった専門家が育ちにくい。特に児童養護施設のように問題の多い子を扱う職場は敬遠されがちであり、赴任しても短期間で離れてしまいベテランの職員が育たない。

偉そうに児童手当の拡充を訴える政治家どもは、数日間児童養護施設で働いてみろと云いたい。親に捨てられ、それでも親を信じて待っている愛情不足の子供たちと直に接してみろ。教育以前に人としての基礎的な躾さえされておらず、自分の欲望を泣き叫ぶだけの子供たちを我が目でみてみろ。

私には日本政府は、この躾もなく親の愛もなく見捨てられている子供たちは、少子化問題のなかには含まれていないとしか思えない。これから生まれる子供のことも大事だが、今生きている子供たちのなかでも養護施設の子供たちの可能性を伸ばすことを何故に考えない。

各地の児童養護施設からの報告書は、おきれいなお役所言葉で修辞され、霞が関に届く頃には実態からかけ離れてしまっているのではないか。私にはそう思えてなりません。

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