生命保険について、ここで改めて考えてみたいと思います。生命保険会社は、顧客から保険料の支払を受け、それを原資に資産運用を行い収益を上げます。そして保険契約に基づく保険金の支払いを顧客にすることになるわけです。
もう少し詳しく書くと、下記のような算式で表されます。
保険料=保険金+保険会社の事業経費-運用益 この算式が保険料の算出方法を示します。
少し、左右の項目を変えると、下記のような算式でも表示できます。
保険料+運用益=保険金+保険会社の事業経費
各項目について、もう少し詳しく説明したいと思います。
① 保険金 これは予定死亡率というものを基準に算定されます。具体的には「生保標準生命表1996」というもので、保険料算定の資料としています。ちなみに、今年43歳の私の余命は、この表によると後35、49年だそうです。
② 保険会社の事業経費 これは予定事業費率から算定されます。要するに保険会社の仕事をしていく上で必要な経費(人件費やらの諸経費)を予め見積もっているわけです。
③ 資産運用益 保険会社は予め一定の運用益を見込んでいます。この割合を予定利率といいます。
さて、バブル崩壊以降銀行の預金利子はコンマ以下となり、ほとんど通帳の染みのような利子が記載されているのは、皆さんよくご存知のことと思います。実はバブル崩壊後もしばらくは、上記③の予定利率は高いままでした。一時払い養老保険などは予定利率が5%台でしたから、満期になると税金を納めねばならないほどの保険金の支払いがあったものです。低金利時代にあって、らしからぬ高利回りの金融商品であったのは有名な話です。
しかし、生命保険会社にとっては、この高利率の予定利率を組み込まれた保険契約は悪夢に近い存在でした。なにしろ、保険契約は法律行為です。そうおいそれと契約を変更するわけにはいきません。そこで保険会社は・・・(以下、続く)
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