ヌマンタの書斎

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立場の違い

2024-12-20 09:20:58 | 社会・政治・一般

信じるだけでは救われない。

今年のノーベル平和賞は、日本の被団協が受賞した。長年の活動に対する評価であり、受賞そのものに異議はない。

被団協だけではないが、日本の反核団体が核兵器の恐ろしさを伝えてきたことは、間違いなく世界平和に貢献してきたと思うからだ。ただし、被団協の人たちの思いとは別の貢献の仕方ではある。

国家間に限らず、地域紛争、部族間の争いでも平和を維持する基本は武力均衡である。だが武力を揃えるのは大変だ。とりわけ近代の最新兵器は金がかかるだけでは済まない。操作の習熟にも多大な時間と金がかかる。とりわけIT機器を併用した最新兵器は、大卒レベルの学力が必要となるが、大半の国では読み書きさえ十分ではない。

だからこそ唯一の被爆国である日本が世界に向けて盛んに宣伝していた核兵器こそが、我が国の平和を守る最強の武器であると確信できた。たった一発で都市を崩壊させるだけでなく、残虐な後遺症さえ残す最凶の兵器であることは間違いない。

そう考えた国は多く、アメリカに続きソ連、フランス、イギリスそして共産シナの五か国が核兵器保有国として君臨している。先行した五か国はこれ以上、この恐るべき兵器を所有する国を増やしたくなかった。しかし、その恐ろしさ故にイスラエル、インド、パキスタン、南アフリカ、イランそして北コリアと徐々に保有国は増えつつある。

被団協の人たちの悲痛な核廃絶の思いとは裏腹に、核兵器はますます拡散しているのが現実である。いや、核兵器の悲惨さを世界に訴え続けた成果でもあるから、皮肉というにはあまりに残酷な結果だと思っている。

まさか被団協の人たちも自分たちの活動が核兵器拡散に貢献したとは思わなかっただろうし、それ以上に認識したくない現実だと思います。でも、この残酷な現実を認めない限り、核兵器廃絶は夢のまた夢である。

もし核兵器が廃絶されるとしたら、それは外部から核分裂反応を止められる方法が見つかるか、あるいは核兵器以上に強力な武器が開発された時だと思います。人の善意と良心を期待しての核兵器廃絶はまずありえない。

ノーベル財団も残酷な仕打ちをしてくれたものです。まぁ日本の平和愛好市民たちは、見たくない現実を見ないふりするのに慣れているので傷つくことはないでしょうけどね。


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kinkacho)
2024-12-20 16:48:57
ヌマンタさん、こんにちは。
平和賞受賞と聞いた時、すごく違和感を感じました。
活動は認められるべきだけど、これではないと...
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Unknown (たたら)
2024-12-21 07:48:32
お邪魔します(*- -)(*_ _)ペコリ
受賞のスピーチ、20分くらいありましたかね、全部見ました。
外国人に配慮して軽いエピソードだった気がします。
「やけど」だけではイメージする側の想像力に差があると思うし、どこまで正確に伝わったのか謎。
それよりスピーチでの日本政府批判に、ここで恨みつらみを晴らすのか!?とビックリしました。
私が日本人のせいか、政府への悪口と不満が印象として残ってしまい何かピンときませんでした(ーー;)
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Unknown (大俗物)
2024-12-21 16:55:22
現実論として、被害の悲惨さと恐怖、継続する健康被害……いずれも「武器威力のセールス」にしかなりませんよ。戦後の健康被害にしても、征服した国に重荷を背負わせて、戦後の支配を確立する良い手札てしかない!
私が国際的な兵器商人ならCM代わりに資金を与えます。
兵器商人というのは産業別に見れば20位に入らない。
トップのスーパーマーケット業界の1/25のシェアしかない。テロリストに売らない限り、国家の税金しか市場がないから当たり前です。ボーイング社ですら自社の民間機シェアの1/10にもならない(兵器の儲けは)。
そういう業界てすから、こりゃ「良い広告塔」でせう。
悲惨さを訴えれば「止めてくれる」と考えるのは、平和主義ではなく「御都合主義」です。
だから平和主義者が戦争を作る!
やるならば「如何に威力があり、それ故に用いた双方が回復不能な被害を出す」という「恐怖」を与えるしかないが、その恐怖こそ為政者には「敵への恫喝力」としか見えませんからね! 要は自分と同じように人が見てくれるという御都合主義でしかない!!
たぶん日本に核武装させたくない側が彼らに銭を出しているのでせう。訴える側が貰ってなくとも、彼らを送り込む段階で、なんるかの政治力と、政治力に注がれる金ぎあったと考えるのが現実的でないですかね?
そうしてこういう事を言うと「誹謗中傷だぁ!」「しゃさいしろぅ!」となる。まったく御花畑につける薬なし。
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Unknown (大俗物)
2024-12-21 17:03:10
ちなみに「核の冬で人類絶滅」は嘘です。
巨大隕石の衝突とは違う!
恐竜絶滅の隕石から話す方が早いので、そうしますが。
隕石が大気圏外から落下してくる時は、地球の大気層を貫きながら「トンネルを掘って」きます。
激突してインパクトした瞬間、激突面に巨大な真空が産まれて、周囲の塵を一気に吸い込む。その吸い込まれた塵が前述のトンネルを通して、成層圏までバキューム化され吸い上げられる。ゆえに10〜100kmくらいの成層圏に塵が広まり、これは長期間に太陽光を遮断する。
ところが、核爆発は爆発による浮遊エネルギーしか塵は持たない。なので長期間に太陽光を遮断したり「できない」んです。核爆発の塵は対流圏しか飛ばない!!
成層圏まで達しないと、長期間の太陽光遮断はムリ! 
つまり核の冬は真っ赤な嘘です!!
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Unknown (ヌマンタ)
2024-12-22 14:23:21
kinkacho さん、こんにちは。その違和感を感じるだけの常識があれば良いのですが、自分たちの正義の信念に酔い痴れているので無理でしょうね。哀しくも厳しい現実だと思います。
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Unknown (ヌマンタ)
2024-12-22 14:32:24
たたら さん、こんにちは。私が被団協の人たちに対しあまり好意的になれないのは、自分たちを戦争の被害者として特権扱いを求めるところです。焼夷弾で焼き殺されたり、艦砲射撃で爆殺された国民よりも自分たちを上位に置きたがる傲慢さを感じて、それが不愉快です。当時の日本国民の大半が戦争に好意的であったからこその大陸侵略であり、その結果としての太平洋戦争である認識が足りないと考えています。
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Unknown (ヌマンタ)
2024-12-22 14:41:12
大俗物 さん、こんにちは。被団協の人たちに限りませんが多くの日本人には、かつて多数派の日本人が戦争に賛意を示した現実を直視していません。よく軍部の独裁とかいいますが、その軍部こそに期待を抱いての大陸侵略でした。大恐慌の後に有効な政策を打ち出せなかった政府の打ち出した大陸進出に賛同し、その大陸での治安のための軍でした。それを支持しておいて、戦後はぬけぬけと被害者ぶる卑劣さが不快ですね。

なお冷戦時代に米ソが本気で核ミサイルを多量に撃ち合えば、数年間であっても大気温度は減少し、農業に多大な影響を与えると思います。広島級原爆の数百倍の火山噴火がそれを立証しています。でも、大げさに核の冬が宣伝され過ぎていることは同意ですね。
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Unknown (みゆきん)
2024-12-22 20:23:35
思えば原爆なんて物がなきゃ平和賞なんてものも無いはず,犠牲者たちの無念は平和賞だなんて何?
私達の犠牲で貰った賞じゃね?って思ってるかもしれない。
今こうしてても誰かが戦争の犠牲になってる
日本は平和だって言われてるけど明日は我が身だと思ってます
ちょっと真面目なコメになっちゃった(・_・;)
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Unknown (ヌマンタ)
2024-12-23 09:28:06
みゆきん さん、こんにちは。ノーベル平和賞自体がけっこう胡散臭いものです。被団協への受賞を貶める気はありませんけど、多様な見方があることは認識しておいた方が良いと思います。

現実問題、広島や長崎を訪れた外国人観光客の多くが核兵器の恐ろしさを知り、核廃絶に共感しています。でも一部の権力者は別の見方をする。ただ、それだけのことなんですけどね。
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