入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

牧人の休日 (5)

2015年01月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今日は大寒。一年で最も寒いころということになるが、天気はよし。二十四節気を伝える今日の新聞には「武道では寒稽古この時期(毎日新聞)」とある。ぽかぽか陽気を浴びながら炬燵の中にいては、遠い話としか思えない。それでも、柔道着や剣道着を身に着けた若い人々の、稽古に励む姿を想像することはできる。身体が温まるまでは、素足がさぞかし冷たかろう。

 風邪をひいたら熱い風呂に入り、同時に熱燗とビールを飲み、あとは羽毛服まで着て布団の中でひたすら汗をかく。肌着を何度も着替え、それで熱を下げるという荒治療をしたものだ。この方法は体力をかなり消耗する上に中途半端だと、病状をさらに悪化させてしまう恐れもある。それでも、手っ取り早く治すには一番と信じていた。風邪をひくなどということは数年に一度のことだが、いつの間にかこういう野蛮なこともしなくなった。素直に風邪薬を飲み、部屋を暖かくして動かないでいる。

 整備されたゲレンデを嫌い、雪山でのスキーヤーやボーダーの山の事故が報じられている。スポーツは、楽しむことはもちろんだが、自己の能力を高め、さらにそれを追求するものではあろうとも、自然を相手の場合には生命にかかわってくる。
 日が落ちて夕暮れが迫るころ、色を失いかけた空を見上げながらいまだ消息不明の彼らは、例え無事であったとしても、これから迎える極寒の長い夜を覚悟し、耐えなければならない。みな大学山岳部のOBということだから、経験や知識は充分にあっただろう。問題は、50代半ばを超えている。一人より二人、三人といれば、気持ちの上では力にはなるだろうが、それ以上のことはあまり期待できないかも知れない。幸運を祈るしかない。
 
 冬の入笠を勧め、訪れる人を待っている立場の者としては、この件のみならず遭難について、あまり軽々しく言うことは控えたい。加えて、自分にもまだその可能性がゼロだとは、言い切れないうちは。

 そういうことを考えつつ、ともかくも、山小屋「農協ハウス」の冬季営業に関しましては、昨年の11月17日のブログなどをご覧ください。

 
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