「焼き合わせ」のツタウルシの葉に気の早い秋の色を見付けた。ほとんどがまだ緑色だが、チラホラと赤や黄の色が混じっていた。もう、ここでは夏を惜しむ気はなく、こちらも無意識のうちに少しでも秋の気配を探そうとしている。
そのうちには落葉松は水揚げを止めて、少しづつ葉の色をその名のように枯らしていく。ススキ穂は穂先を白くし、牧草の色も含めて周囲の色調が緑からアンバー系へと変わっていく。季節が滅びの色合いを強め、濃くする。そうなれば、高い空の下、牛たちは短い自由の暮らしを終えて里へと下りていく。
まだ秋は始まったばかりだし、長い秋を望んでいるけれど、それだけに時の移ろいに抗えぬことをより意識する季節でもある。
東の空の色が少しづつ薄れ、日が昇る。今のところ天気はまずまずだが、きょうの予報は曇りだ。
牛たちはすでに囲いから姿を消して働きに出たようだが、きょうはどのあたりで草を食むのか。昨日も牧柵の点検のため小入笠まで登っていく途中、かなり上部の木陰に彼女らの休んだ跡が草の上に残っていた。
もっとたくさんの牛がいたころは、そういう跡をいたるところで見かけたが、入牧頭数が減った近年は、牛ではなくすっかり鹿の憩いの場になってしまっている。その上、イノシシの跋扈も大分目立つようになってきて、これについても頭が痛い。
案じていた電気牧柵は一か所も切れていなかった。電圧に若干の不満を感じたものの、その原因がアルミ線の上に倒れたコナシの太い枯れ枝だと分かり、それをどけたらほぼ正常値に回復した。
きょうは忙しなる。本日はこの辺で。
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