入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’25年「冬」(17)

2025年01月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

    冬季は流入する水が減って、ダム湖の水量が落ち湖底が現れる
 
 きょうの写真、懐かしい姿をした子供たちが写っている。しかも、眺めているのは、美和ダムができる以前の、現在は水底に沈んでしまっている田園風景だ。
 美和ダム、伊那市長谷非持、工事着工1953年、運用開始1959年。
 
 この辺りに中央構造線が走っていて、その一部を見ることができる公園、ジオパークがある。用事のついでに昨日久しぶりに立ち寄ってみて、園内に掲示されているこの写真を見付けた。


 
 あまり川幅は広くは見えないが、中央を流れている川が三峰川だと思う。秋の取入れも済んで、閑散とした田圃とそれを眺めている3人の子供たち・・・、だろうか。左端に立っている子は頭に手ぬぐいでも被っているようだが、戦後もまだ10年も経っていないころの写真だろう。このころは大人ばかりか子供でも帽子ではなく「あねさんかぶり」を普通にしていた。
 後の二人は腰を下ろして所在なげに目の前の風景に目をやっている。やがて稲田も集落もダムの底に沈んでしまうことを知っていたのかと聞いてみたいくらいだ。時代を感ずる。

 以前はこのダム湖を眺めながら谷の奥の風呂へよく行った。スーパー林道の発着地と隣接する「仙流荘」へも行ったが、そこよりか「入野谷」の地名に相応しい長谷の奥の集落の、まさにその入り口にあった入浴施設の方をより好んだ。残念ながら今は営業していない。
 家の近くにもこうした施設は幾つかあるが、わざわざあんな遠い山奥の入浴施設へ行った理由には、三峰川上流の眺めが気に入っていたことが大きい。

 それにしても、芝平もそうだし、この入野谷にしてもそうだが、辺境とも言える土地への関心がかなり強い。なぜこんな辺鄙な土地に人が棲んだのかという疑問と格闘してみたくなるのだ。
 この性向は変わらないだろう。それでいいが、もしかしたらわが人生は少々浮世離れしていて、清貧独居禁欲の日々が長かった分、人よりか暇だったということだろうか。
 
 昨夜も散歩に出た。夜の静寂の中から聞こえてくる水の音、楽器で言えば何になるだろう。ピアノ、フルート、ハープ、よく分からない。
 上でもシャベルやツルハシを持って泥だらけになりながら、いい水の音を聞いた。牧場の内外に沢は幾つもあるが、あそこの渓の水音が一番良かったという評価はまだ変わらない。新緑のころは特にいい。今年もそのころに行けるといいのだが、行くだろう。
 本日はこの辺で。
 

 

 
コメント
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