入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’24年「春」(37)

2024年04月04日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 異常気象、地震、自然災害が頻発する。紛争、テロも起きている。この惑星、地球はそれほど安全な星ではないのかも知れない。もっともその原因の多くは、癌細胞にもなぞらえるわれわれ人間のせいだという見方もある。
 この広い宇宙には、人間のような、それがどれほどのものかは措いて、一応知性を持った生命体とは違った、植物の段階で生命の進化が止まってしまったような星もあるのだろうか。

 そんな他愛ないことを想像しながら、いつもの朝のようにわが家のカタクリ、ボケの咲き具合を見にいって、珍しいものを見付けた。そういう生き物がいることは知っていたが、間近で目にしたことは多分なかったと思う。
 カタツムリである。殻から顔を覗かせていたが、近付いたたら首から先を引っ込めてしまった。
 先程あんなことを呟いたから、生きとし生ける物はいずれは進化の梯子を上り出すゾ、という天の啓示だろうか。



 ある県の知事が、新しく採用された職員の前で行った発言に問題があったということで、辞任するという騒ぎになった。問題とされた発言部分に、県庁で働くような人は優秀であり、「牛飼い」や「物を売ったり」するような仕事とは違うという意味の、いわゆる職業における差別発言をしたというのだ。
 それに対して報道する側はナントカの刃を振るっていたが、それも彼ら、彼女らの職業上の立場ではなかっただろうか。

 畜産の末端にいる者として一言するが、ではそう言われた「牛飼い」たちが、報道する彼ら彼女らほどに心乱れたかといえば、さてどうだろうか。
 職業上の差別はあるし、その仕事に満足できず辞めたいと思う人はあらゆる職種にいくらでもいるだろう。もちろん「牛飼い」の中にいてもおかしくはない。
 しかしそれと同様、その仕事にやりがいや、誇りを持ってやっている人たちもやはりいくらでもいる。そういう人たちは、発奮したのではないだろうか。

 むしろ、鬼の首でも取ったかのように騒ぎ立てる報道陣に白けてはいなかったか。あの知事と同じように、彼らも牧畜についての知識は同程度だろうし、同じ目線で、しかし話題にするには面白いからと騒いだように受け取れた。
 しかし、牛を飼うということは相当の学習、知識、経験、体力が必要で、しかもその努力をずっと続けていかなければならない仕事である。確かに困難、苦労の多い仕事だが、別に県庁で働く人たちと比べて、牧畜に携わる者が差別や卑下されたなどとは思わないのではないか。
 言い過ぎを怖れずに言えば、そんなお役所的な感覚、報道感覚で牛を飼っていたら、A5の牛肉などとても生産できまい。
 本日はこの辺で。
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